Cherem|Salt Lake Cityヴィーガン・ストレートエッジ・ハードコアの記録

本文は、Cherem公式アーカイブ、当時のZINE、地元紙、レーベル資料、後年のインタビューを照合して構成した。結成年、メンバー構成、担当楽器など、資料によって記述が異なる箇所は一つに断定せず、違いを併記している。

Cheremは、アメリカ・ユタ州Salt Lake Cityで結成されたヴィーガン・ストレートエッジ・ハードコア・バンドである。結成時期は資料によって異なり、2000年秋または2001年初頭と記録されている。2007年前後から活動頻度が下がったが、正式な解散は発表されなかった。2025年12月に新曲を発表し、2026年2月にライブ活動を再開した。

Bill Frenchは、自分たちの音楽について聞かれ、「Hardcore」とだけ答えた。それ以上のジャンル名で定義することは避けている。資料ではメタリック・ハードコア、ヴィーガン・ストレートエッジ、政治的な主題を扱うハードコアとして紹介されるが、Bill本人が用いた呼称は「Hardcore」である。

Cheremの記録を追ううえで重要なのは、Salt Lake Cityのヴィーガン・ストレートエッジ・シーン、短期サイドプロジェクトとしての始まり、音源ごとの内容差、「I Hate George Bush」とFoekus周辺の名義、警察やメディアからの扱い、そして2025年以降の再始動である。

資料の扱い

本文では、発売日、収録曲、公演日など複数の資料で確認できる事項を事実として記載する。本人や関係者の発言は、発言者または掲載資料を明記する。資料間で結成年、メンバー、担当楽器などが異なる場合は、一方へ統一せず差を併記する。「I Hate George Bush」の歌詞全文と全訳は掲載せず、歌詞に含まれる主題、固有名詞、言葉遊びを要約する。

活動地域と活動時期

Cheremの拠点はSalt Lake Cityだった。Bill Frenchによれば、地元シーンではストレートエッジとヴィーガニズムが大きな位置を占め、Cheremも強い影響を受けた。Salt Lake Cityのバンドには独自の音があると言われるが、Bill自身はその特徴を説明できないとしている。彼はまた、ストレートエッジやヴィーガニズムは新しいものではないが、無視できない重要な考えであり、鍵になるのは教育だと述べている。

結成時期は資料によって異なり、2000年秋とする記述と、2001年初頭とする記述がある。Billは2002年の時点で、最初のラインナップが1年以上続いた後、約6か月の休止を挟んで活動を再開したと説明した。Where It Went Zineは、2000年秋の結成と記している。

2001年には、1月6日に78 Days After Death、2月23日にPushing Up Daisies、5月29日にAftermath of a Trainwreck、6月24日にNo Innocent Victim、7月25日にHoodsらと共演した。同年夏に『Vegan Power Demo』を録音した。12月のBleeding Through、From Autumn to Ashesとの公演は、当初、最後の公演として扱われた。その後の再結成後は、ヴィーガニズムに加えて、ストレートエッジ、環境、グローバリゼーションとその周辺の問題も扱うようになった。

2002年11月10日にはUndergroundsでMost Precious Blood、The Lone Rangersらと共演した。同月のインタビューで、BillはCheremを「Hardcore」と表現している。

2003年3月にはBoho Digitaliaで7曲のデモを録音する予定が記されていた。同年、自主盤『In the Land of the Dead』と、Devolution Recordsから7インチ『In God We Trust』を発表した。

2004年にはNew Eden Recordsから『In the Land of the Dead』のNew Eden 005版を発表。1月10日から11日にTotal Liberation Festival in Pennsylvaniaへ出演し、7月8日には同フェスティバルの支援ライブにも参加した。公式アーカイブには、Total Liberation Fest、Boise, ID、Total Liberation Tourの記録が残る。

2005年春には「Cherem at West Coast Worldwide, Spring ’05」と記された写真が残っている。同年、New Eden 023版『In the Land of the Dead』を発表し、春と秋にAndy Pattersonのもとで『We Are the Revolution』を録音した。公式アーカイブには、Aftermath of a Trainwreckとのツアー、Fuck Nick Cannon Tour、Idaho Falls, IDの項目もある。

2006年にはOutline Recordsから『We Are the Revolution』をリリースした。4月20日、Salt Lake City WeeklyはClub Overdriveで午後7時から行われるリリース・ショーを告知している。公式アーカイブには、We Are the Revolution TourとRemembering Neverとのツアー記録が残る。

2007年前後、Billのニューヨーク移住後に継続的な活動が難しくなった。公式アーカイブには2007年のJanuary、February、July、MySpaceの項目がある。

2012年には約6年ぶりにライブを行った。公式Videosページには、2015年3月1日の「Cherem LIVE @ In The Venue FULL SET 3/1/2015 (Foekus & Cherem)」、2018年6月8日、2018年8月31日のフルセット映像が残っている。

2025年12月2日、CheremはBandcampで「Whose Side Are You On?」を公開した。No Echoが同年12月9日に掲載したTrevor Haleへのインタビューによれば、BillとTrevorが曲作りを再開し、Micah、Austin、Judgeを加えた編成で7曲を書いた。公式Instagramでは、2026年2月13日にSalt Lake CityのFellowship Hallで公演を行ったことが確認できる。2026年7月11日時点では、7月22日のKilby Court公演と8月29日のSoundwell公演も告知されている。

公式アーカイブには、Home、Videos、Photos、2001、2003、2004、2005、2006、2007、MySpace、Discography、Vegan Power (Demo)、In the Land of the Dead、We Are the Revolution、Compilations & Promo、Vinyl、Flyers、Pressが並ぶ。公式サイトの説明では、長く休止状態だったドメインを買い戻し、写真、映像、アートワークを集めた「time capsule」として再構築したという。

Discographyには『Vegan Power (Demo)』『In the Land of the Dead』『We Are the Revolution』、Vinylには『In God We Trust』、PressにはZINEや地元紙の記事、Flyersにはライブ記録が整理されている。Compilations & Promoでは、通常盤以外の参加音源や宣伝用音源を確認できる。

2025年のNo Echoインタビューによれば、初期は地元公演をおよそ6週間ごとに行い、年に数回の短いツアーへ出ていた。Remembering Never、Ed Gein、Winds of Plagueと回った約5週間のツアーもあった。近い関係にあったバンドとして、Aftermath of a Trainwreck、Gather、This Time Tomorrow、The Dead Unknownが挙げられている。

結成の背景

Cheremは、長期活動を前提に始まったバンドではない。友人たちがバンドを始めようとしてBillにギターを頼んだことが発端で、当初は重くて分かりやすい音楽を演奏し、ライブを楽しみ、ヴィーガニズムについて歌う程度の冗談に近い企画だった。

78 Days After Deathのサイドプロジェクトかと聞かれたBillは、「最初はそうだったが、今は真剣にやっている」と答えた。活動を続けるうちに、Cheremはメッセージを外へ伝え、人に別の考え方を促せるものへ変わった。

当時の紹介文は、Cheremを78 Days After DeathとOpened Upのメンバーによるサイドプロジェクトとしている。当初は、Thom Greenが動物保護施設を始めるために離れるまでの短期活動を想定していた。

当時の紹介文は、初期の目的を、動物の苦しみに対する怒りと重い音楽を結びつけ、ヴィーガニズムを歌詞で伝えることだったと説明している。

2001年12月の公演後に一度活動を止めたが、その後再結成した。再結成後は、ヴィーガニズムに加えて、ストレートエッジ、環境、グローバリゼーションも歌詞の主題に含めた。

Salt Lake City Weeklyは、Cheremの結成当時、全国的なストレートエッジ運動が停滞していたと説明している。Earth CrisisやGorilla Biscuitsのように動物虐待や政治的不正を前面に出したバンドが解散し、同じ情熱を持つミュージシャンが少なくなっていた時期だった。

Trevor Haleは、かつて肉、乳製品、ドラッグ、アルコール、複数の相手との性関係を避けるよう訴えていた人々が、後にファストフードや酒へ戻っていったと振り返っている。Trevorによれば、その変化への反発も活動を続ける理由の一つだった。

初期のライブでは即興的な演奏も行い、「Dead at 55」のように死を題材にした曲へ、その場で歌詞を付けることもあった。観客の反応が増えると、継続して活動できるメンバーを加え、政治的・社会的な主題を明確にした曲を書くようになった。

バンド名の由来

Cheremという名前は、フランク・ハーバートの『Dune』に由来する。Billは「復讐のために結ばれた兄弟団」、別のインタビューでは「特定の目的のために結ばれた兄弟団」に近い意味だと説明した。旧ベーシストが『Dune』の大ファンで、バンドの方向に合う名前として選ばれたという。

Red Magazine / Daily Utah Chronicleは映画『Dune』由来と紹介し、「目的を持って結ばれた憎悪の兄弟団」「一般的には復讐」と説明している。Bill本人は本から取ったとしており、ここには資料差がある。

メンバーと関連バンド

2002年時点で、オリジナルラインナップから残っていたのはBill FrenchとTrevor Haleだった。Billは、Thom Greenについて、多くのアイデアを持ち、演奏時のエネルギーが特に強かった初期メンバーだったと述べている。同時に、Cheremは特定の個人ではなく、作り続けるものだとも述べた。

2005年前後の資料には、Bill French(ボーカル)、Clint Halladay(ドラム)、Trevor Hale(ギター)、Austin Kent(ギター)、Dan Fletcher(ベース)が掲載されている。この時期の紹介文は、2000年秋に結成し、約8か月の休止を挟んだと記している。休止の理由として、ドラマーがカリフォルニアへ移り、xDEATHSTARxのボーカルを務めるようになったことと、ヴィーガンのドラマーを見つけるのが難しかったことを挙げている。

メンバー表記には資料差がある。当時の別資料にはTrever Hale、Clint Halladay、Nic Lott、Chris Purkey、Bill Frenchの名前があり、Nick Lott / Nic LottはSalt Lake City Weeklyではベース、Original Bioではギターと記されている。この点は一方へ統一できない。

Salt Lake City Weeklyは、Clint Halladay、Nick Lott、Austin Kentが加わった後、編成が安定し、政治的な主題を明確にした曲を書くようになったと説明している。

Billの最初のバンドは1995年頃のxcertitudexで、その後XdeterenceX、Deadfall、78 Days After Death、Cheremへ続いた。78 Days After Deathでは、Bチューニングで7弦を弾くもう一人のギタリストを探していたが、候補が見つからなかったという。

Cherem以外では、BillがUp River、AustinがxGUTSHOTxでも活動した。Danは学校に通いながら音楽レビューを書き、Trevorは学校に通いながらコミックについて書き、Clintは仕事をしながら野球をしていた。

Trevorは、Billyの叫びが普通の歌声では出せないほどのエネルギーを放つと説明した。狩猟、肉産業、虐殺への怒りを、音楽によって外へ出していたという。

SLC周辺の関連バンドとして、Pushing Up Daisies、Tamerlane、Gaza、Aftermath of a Trainwreck、Clifton、Parallax、This Time Tomorrow、The Dead Unknown、Hoods、No Innocent Victimが確認できる。ライブや記事には、Most Precious Blood、Grimlock、Life of Agony、Sick of It All、The Lone Rangersも登場する。

2002年11月10日のUndergrounds公演では、Most Precious Bloodがヘッドライナーだった。同バンドはCheremのセット途中に到着し、夜の最後に演奏した。記事では、Most Precious BloodがSick of It AllのSalt Lake City公演でオープニングを務めたことにも触れている。

Original Bioは、CheremがUndying、Judas Cradle、Misery Signals、Sinai Beachらと共演したと記している。政治的ハードコアの文脈ではEarth CrisisとGorilla Biscuits、AMP MagazineではMorning Again、Indecision、Downpour、Eighteen Visions、Atreyu、It Dies Todayにも言及がある。

当時メンバーが注目していたバンドやアーティストとして、Gather、Remembering Never、Time For Change、Immortal Technique、Sleeping Giant、Most Precious Bloodが挙げられている。音楽的影響は一つか二つのバンドには絞れず、各メンバーの異なる背景や好みが曲作りへ入り込んだ。歌詞面では、実際に何かを伝えている人やバンドから刺激を受け、自分たちも新しいものを返したいと考えていた。

2025年の再始動時には、Bill French、Trevor Hale、Micah、Austin、Judgeによる編成が組まれた。No EchoはMicahをヴィーガンかつストレートエッジのドラマー、JudgeをxFOREVER WARxの人物として紹介している。この編成で7曲を書き、最初に「Whose Side Are You On?」を発表した。残る曲は2026年3月に録音へ戻る予定とされていたが、2026年7月時点で正式なリリース日は確認できない。

初期の目的とヴィーガニズム

Cheremの初期目的は、ヴィーガニズムを伝えることだった。Billは、重くて分かりやすい音楽を演奏し、ライブを楽しみながらヴィーガニズムを歌うために始めたと説明している。

当時の紹介文も、動物の苦しみから生まれる怒りを強烈な音と結びつけ、深い歌詞と直接的な重さでヴィーガニズムを伝えるバンドだったとしている。

メッセージは主に歌詞と情報を通して伝えられた。音楽そのものは、ヴィーガニズムや人生に対してメンバーが抱く感情の表現だった。Trevorによれば、Billyの叫びは狩猟、肉産業、虐殺への怒りと結びつき、音楽がその攻撃性を外へ出す手段になっていた。

Billは、重い音に合わせて観客が激しく動く場面を見ると、その人たちが何に怒り、何に情熱を向けているのかを考えると述べた。Cheremの音とステージ上の反応は、ヴィーガニズムやストレートエッジのメッセージと切り離されていなかった。

Bill Frenchの発言

以下は、主にCherem公式アーカイブに保存されたBill Frenchへのインタビューを要約したものである。社会や宗教に関する記述は、客観的事実ではなくBill本人の見解として扱う。

Billは、多くの人が「生きること」を当たり前に扱い、生きる意志を失ったまま日常の動作だけを繰り返しているように見えると語った。人々は現実の空白へ崩れ落ち、身体が壊れるまでそこに留まり、何も感じないまま生きている。その状態から逃げる方法を見つけられない人も多いと考えていた。

アメリカ社会については、恐怖と迫害を基盤にし、何でもないことや起こりもしないことへの不安が集団ヒステリーを日常化させていると批判した。

同時に、自分自身を救うまで何も救えないとも述べた。世界への思いやりは内側から始まり、Cheremはその考えをメッセージとして伝えようとした。

人間の文化と文明は自然とのつながりを壊し、地球との均衡を失った人間は、利用できるものを吸い尽くす寄生者のようになったという。音楽を選んだのは、人の頭に感覚や考えを生み出す強い力があるからだった。

Billにとって人生は、何かを終わらせるための手段ではなく、過程であり旅だった。人間が持つ最も重要なものであり、すべての生き物の命も同じように尊重されるべきだと考えていた。

死については、天国、地獄、組織宗教を信じていなかった。死後に何も起こらないと断定したわけではなく、人間をエネルギーの一部と捉え、死後はそのエネルギーが全体へ戻ると考える傾向があった。死体が土を養い、植物を生み、循環が再び始まるという見方である。友人の自殺、祖父、曽祖父母の死も経験し、死を受け止める難しさを語っている。

哲学的影響にはAyn Rand、Noam Chomsky、Sun Tzu、CrimethInc Workers Collectiveを挙げた。ボーカル面で最大の影響はUndyingで、そのステージ上の存在感が歌い方を変えるきっかけになった。Green Rage、Lifeless、Contempt、Salt Lake City、Thom Greenも、Cheremを形作った存在として挙げている。

政治と社会については、アメリカの民主主義が企業主義へ置き換えられ、人間が自然の外側にいるという発想そのものが誤りだと批判した。怒りは、問題を知らないことだけでなく、知ろうとせず、見たいものだけを見て、重い真実を遮断する姿勢にも向けられた。

誰かが救ってくれるのを待つのではなく、自分自身で行動するべきだとも主張した。大きなバンドも意味のある問題を語り、前向きな変化を目指せるはずだが、聴き手よりも成功や自意識を優先していると批判している。

AMP MagazineでAustinは、若いリスナーに音楽や人生はMTV、タイトパンツ、メイク以上のものだと理解してほしいと述べた。Cheremにとって音楽は、聴き手やライブへ来る人に何かを伝え、変化へつなげる手段だった。

Salt Lake Cityストレートエッジへの誤解

以下は、主にWhere It Went Zine、Red Magazine / Daily Utah Chronicle、Salt Lake City Weeklyに掲載されたメンバーの発言と記事内容の要約である。シーン全体の実態を統計的に示すものではなく、Cherem側と各記事の記録として扱う。

CheremはSalt Lake Cityのヴィーガン・ストレートエッジ・シーンから強い影響を受けたが、そのシーンは外部から暴力的で急進的なものとして描かれた。Cherem側は、そのイメージを「まったく違う」と否定し、悪い出来事だけが注目され、良い行動は無視されると考えていた。

例として、ヴィーガン・レストランを営む家族の夫が脳卒中になった際、2人のストレートエッジの若者が2,000ドルを集めた出来事を挙げている。こうした支援は報道されない一方、黒いパーカーを着た2人がモールで喧嘩すれば毎晩ニュースになる、という指摘だった。

極端な噂も広がった。ストレートエッジをやめた人物が押さえつけられ、手のXタトゥーを切り落とされたという話や、SLCのストレートエッジの若者はベッドで寝るとタフでなくなるため全員セメントの床で寝ているという話である。Cherem側は、いずれも事実ではないとしている。

SLC出身というだけで荒っぽいバンドだと思われることに対し、自分たちは「ハードコア史上最も痩せたバンド」で、親切な人たちだと冗談を交えて答えた。事実ではない噂を聞くと、どこまでひどくなるか確かめるために、あえて話に乗ることもあったという。

TrevorはRed Magazine / Daily Utah Chronicleで、喧嘩の多くはストレートエッジではない人間が起こし、酔った若者がショーへ来て問題を起こす場合が多いと述べた。自分たちは対立を避けようとするが、押され続ければ誰かが限界に達するとも付け加えている。

Salt Lake City Weeklyも、Cheremを暴力的なストリート・パンクスとして扱うべきではないと書いた。彼らは喫煙者やチーズを食べる人を殴るのではなく、ストレートエッジではないバンドとも共演し、新しい客層へ届こうとしていた。年齢制限なしのライブ開催を難しくする否定的なイメージを変えようとしていたのである。

Billは、方法が違っても、政府の腐敗や汚染のない、幸せで清潔な環境を望む点では一致できると考えていた。Cheremは自分たちの意見をそのまま受け入れるよう求めず、興味を持った人には情報を示し、異なる意見に触れた時には自分の考えも見直す姿勢を取っていた。

警察・メディアからの扱い

この章の内容は、当時のインタビューでCherem側が説明した経験に基づく。警察資料による独立した確認ではないため、バンド側の証言として記載する。

Cherem側は、ヴィーガンやストレートエッジであることを理由に警察から問題視された経験があるかと聞かれ、「いつもだ」と答えた。同じ回答では、シンガーが「テロリスト的カルト」のリーダーとしてリスト化され、シンガーと回答者がギャング構成員および潜在的なテロの脅威として扱われていたと説明している。

Cherem側の説明では、Total Liberation Fest翌日に紙工場で火災が起きた時、バンドはツアーへ出るところだった。街を離れる車内から煙を見たBillは、警察が自宅へ来ると予想した。翌日、ガールフレンドから、警察がBillを探しに来たとの連絡を受けたという。インタビューでは、警察が街を訪れていた活動家に注目していたと説明している。

Cherem側は、火災が起きた時には食料品店におり、ツアーバンへ持ち込むRoot BeerとFruit Punchのどちらを買うか話していたと説明した。また、警察が事件を活動家と結びつけようとしていると受け止めていた。

2003年録音資料に残るCheremのハードコア観

以下は、2003年3月22日録音の資料に掲載された文章の要約である。文章内の評価や批判は、Cherem側の立場として記載する。

2003年3月22日にBoho Digitaliaで録音された資料には、Cheremのハードコア観をまとめた長文が残る。文末には、エンジニアBruce Kirby、Bill French、Trevor Hale、Clint Halladay、Nick Lott、Chris Purkeyの名前と、xcheremx.com、cheremxh801x@yahoo.comが記されている

文章は「ハードコアとは何か」という問いから始まる。Cheremは、ハードコアが何を意味するのか説明できない状態になったと批判した。憎しみ、楽しさ、友情、ユニティ、メッセージのいずれか一つを指す言葉ではなく、もはや何についてのものかさえ曖昧になったという認識だった。

過去には、録音の質や演奏技術より、音楽に意味があり、人を動かすことを重視するバンドがいた。しかし当時のシーンでは、洗練されたパッケージ、最新のファッション、録音の質、演奏者の見た目が優先され、メッセージは後回しになるか、最初から存在しないと見ていた。

ハードコアが明確な商品へ変われば、ラベルを付け直され、最も高く買う相手へ売られる。主流市場は次のヒットを探してアンダーグラウンドを監視し、一つのバンドが売れると、似た音のスタジオ・バンドが次々に作られる。若者も名声のためにハードコアを演奏し始め、利用できるものはすべて利用される。MTVや深夜番組でハードコアを見られる状況に、文章は「これは一体何なんだ」と強い怒りを向けている。

書き手がハードコア・バンドで演奏する理由は、自分の苛立ちを吐き出せるからだった。ハードコアが不安と憎しみの究極の表現だった時代から来たという自覚があり、当時の状況を単なるファッションショーと捉えていた。

一方で、文章は昔の形へ戻ることだけを求めていない。ジャンルの境界を忘れ、自分を動かす音楽を聴き、バンドメンバーの名前よりも何を語っているかを覚えるよう促している。ハードコア、ヒップホップ、パンクロック、クラシックといった分類は重要ではなく、人を分断する境界は頭の中に作られた構造にすぎないという立場だった。

必要なのはシーンの団結ではなく、シーンそのものから離れ、自分自身と人生の意味を見つけ、自分にとって正しいことを行うことだとした。次の流行に奪われない大きな何かへ向かい、それぞれが自分で意味を与える、形のないものを求めた。その考えは買われることも、最も高く買う相手へ売られることもない。文章は、ハードコアが死につつあり、このサイクルを壊す時だと結ぶ。

その直後には、CheremがAnimal Liberation Frontを全面的に支持すると明記されている。メンバー表記はTrevor Hale(ギター)、Bill French(ボーカル)、Clint Halladay(ドラム)、Nick Lott(ギター)、Chris Purkey(ベース)である。

音源・リリース

2001年夏録音の『Vegan Power Demo』は、Tommy Green宅の未完成の地下室で4トラック機材を使って制作された。収録曲は「As the Truth Unfolds」「The Slit Wrist of Humanity」「Eyes Sewn Shut」「Green Rage」である。

2003年には自主盤『In the Land of the Dead』と、Devolution Recordsから7インチ『In God We Trust』を発表した。『In the Land of the Dead』は2004年と2005年にNew Eden Recordsから再発され、版ごとに曲順、サンプル、収録曲、「I Hate George Bush」の扱いが異なる。

2006年にはOutline Recordsから『We Are the Revolution』を発表した。2005年春と秋にAndy Pattersonが録音し、2001年デモ曲の再録とThe Smiths「Meat Is Murder」のカバーを収録している。

公式アーカイブには、通常盤以外の参加音源や宣伝用音源を扱うCompilations & Promo、7インチを扱うVinyl、フライヤー、ZINE、地元紙の記事も保存されている。

『In the Land of the Dead』の版違い

公式アーカイブは、『In the Land of the Dead』をv1、v2、v3の3版に分けている。

v1は2003年の自主盤で、6曲を録音し、100枚単位で数回プレスした。Salt Lakeのヴィーガン・ストレートエッジ・コミュニティを扱ったニュース放送サンプルを多く使い、Foekusとの「I Hate George Bush」を隠しトラックとして収録した。制作時には、Salt Lake Cityの外で聴かれるとは考えていなかった。

v2は2004年のNew Eden Records 005版である。再発に際し、バンドは外部から真剣に受け取られることを意識し、地元外では理解されにくいニュース放送サンプルとFoekusとの秘密曲を外した。地元コンピレーション用の2曲を追加し、アートワークと曲順も変更した。公式アーカイブは、この版を「最初から最後まで考えすぎた」と振り返っている。Trevorも、Utah外の人に誤解されたくなかったためサンプルを外したと説明している。

v3は2005年のNew Eden Records 023版である。公式アーカイブは、v2も完売し、プレス数は「おそらく500枚から1000枚を超えない」と記している。New Eden側は、自主盤から大きく変わった内容に失望したという。バンドはこの頃には地元外の反応を以前ほど気にしなくなり、追加した2曲を残したまま、ニュース・サンプルをすべて戻し、曲順もほぼ自主盤へ戻した。「I Hate George Bush」も正式な曲として配置した。Billは、サンプルがハードコア史の別の時代を示し、自分たちのメッセージを補うと判断したと説明している。

配信版には「Letters」「In Silence」「To the End」「Playing Victim」「This Failure」「One More Day」「The Slit Wrist of Humanity」「Stand Up and Fight」「I Hate George Bush」が収録されている。

『In God We Trust』と「I Hate George Bush」

「I Hate George Bush」は、CheremとFoekus / Foeknawledgeの関係を示す曲である。2003年の自主盤では隠しトラック、2004年のNew Eden版では未収録、2005年版では正式収録となった。

2003年にはDevolution Recordsから7インチ『In God We Trust』としても発売された。片面は「I Hate George Bush」、もう片面は「This Failure」。プレス数はテスト盤10枚、赤盤100枚、青盤100枚、黒盤300枚と整理されている。

公式アーカイブによれば、Foekusは自分のレーベルの最初の作品にCheremとの曲を使いたがった。Foekの参加版は予想以上に反響を広げ、Billが歌う元のバージョンを事実上古いものにしたという。

Foeknawledge『Knowledge Is Key』CDEPにも「I Hate George Bush feat. Cherem」が収録された。New Eden Records旧ページは、この作品をFoekusによる4曲入りのヴィーガン・ストレートエッジ・ヒップホップEPとして紹介し、同曲を“infamous anthem”と表現している。価格は2.50ドルだった。

2026年7月11日時点のSpotifyでは、CheremとFoeknawledgeの連名で表示され、『In the Land of the Dead』の2004年リリース曲、長さ3分3秒、2016年Old News Recordsの権利表記となっている。

曲はFoekus and Cherem、vegan power、drug-free shitという宣言から始まり、ヴィーガン、薬物を使わない生活、ハードコアのピットで怒りを表すことへ進む。強い信念に沿って行動した人が服役し、直接行動がテロ犯罪として扱われる状況を批判した後、BushとCheneyを名指しする。

歌詞では、直接行動を「テロ犯罪」として扱う状況に触れた直後にBushとCheneyを名指しする。後半には、人間の生贄やカニバリズムを行わなくなった代わりに動物を苦しめているという皮肉と、宗教を根拠に動物利用を正当化する考えへの批判がある。

2026年2月2日にはBandcampで『In the Land of the Dead』のデジタル版が公開された。表示上は2026年リリースだが、2003年から2005年に複数版が存在した既存作品のデジタル公開であり、新作アルバムではない。

Foekus/Foeknawledge/Naj One

以下の経歴は、Foek本人のプレスキット、New Eden Records旧ページ、後年のNajoneインタビューを中心に整理した。収監歴、薬物使用歴、宗教については、本人または紹介資料の記述として扱う。

FoekusはSalt Lake CityのヒップホップMC、Foekの別名義である。本人のプレスキットには「F.O.E.K / Freedom Of Evil Knowledge / a.k.a. (foekus)」とあり、Foek、F.O.E.K、Foekusを同一人物の名義として確認できる。

同資料は、FoekをSalt Lake City出身の白人リリシストとして紹介している。16歳で家を出て、路上生活、薬物依存、収監を経験した。18歳でSan FranciscoのMission DistrictからSalt Lake Cityの母親の家へ移り、その後Salt Lake County Jailで約2年を過ごした。収監中、同じ房の人たちの即興ラップに加わったことが、ラップを始めるきっかけになったという。

出所後は社会復帰施設で暮らし、自分の生活を変えなければ死ぬと考えるようになった。その後、地元DJのNocと出会い、レコードを使ったDJ文化に興味を持ったが、レコードを買う金がなかった。Nocに勧められ、代わりにマイクを持ってビートの上でラップするようになった。

本人のプレスキットでは、FoekはWu-Tang Clan、Killa Priest、The Roots、Souls of Mischief、Atmosphereらの前座を務めたと紹介されている。同プレスキットは、初の自主作品『Focal Point』が15日で400枚を売ったと記し、FoekをSalt Lake Cityのバトルラップ・チャンピオンとして紹介している。KRCLとKZHTで楽曲が放送され、2003年5月14日には自主制作レコード『Foek on Wax』を出す予定も記されていた。

New Eden Records旧ページは、FoekusとFoeknawledgeの接続を示している。2004年9月13日と11月9日の商品ページでは、Foeknawledge『Knowledge Is Key』CDEPをFoekusによる4曲入りEPとして掲載し、「I Hate George Bush feat. Cherem」を収録していた。この時点ではNaj One表記は使われていない。

2004年12月8日の新入荷欄にはNAJ-ONE『Foeknawledge: Destroy Babylon』Digipak CDが登場し、12月25日の商品ページはNaj Oneを「以前はFoeknawledgeとして知られていた」と説明した。同じページには『Knowledge Is Key』CDEPも残っている。

New Eden Recordsは『Foeknawledge: Destroy Babylon』を、Salt Lake Cityの闘争的なヴィーガン・ストレートエッジMC、Naj Oneによるフルアルバムとして紹介し、Cheremとの別曲も収録していると記した。『Knowledge Is Key』には「I Hate George Bush feat. Cherem」、『Destroy Babylon』には別のCherem共演曲が含まれる。

Naj Oneへの改名理由は、2010年に「1000 Voices of Dissent」へ再掲載されたインタビューで説明されている。Foekはイスラム名Harun Najwan al-AskariからNaj.oneを取り、本文では「Haroon Najwan Askari a.k.a. Najone」と名乗っている。

本人は、世界の問題を政治や経済だけでなく精神の病として捉え、その答えを探して一度教会へ戻った。しかし、イエスを神とする教義と、動物を人間のために利用してよいとする説明には納得できなかった。

その後Allahへ祈り、Taliyah.orgを通じてイスラム系思想に触れ、フォーラムで質問を重ねた末にshahadaを行った。本人は自分をアメリカ出身のShia Muslimと説明している。Black MuslimやNation of Islamへの入信は、確認した資料には出てこない。

同インタビューでは、ヴィーガンであることを動物搾取の拒否として説明し、薬物を使わない生活とイスラムへの服従も自分の生き方に関わるものとして語った。

ハードコアにはヒップホップを通じて入った。オープンマイクやハウスパーティーで菜食や酒・薬物を避ける生活について話していたが、関心を持つ人は少なかった。その後、ヴィーガン・ストレートエッジの若者と出会い、意見を交換するようになり、ハードコア・シーンを通じてヴィーガニズムへ入った。

ただし、本人の土台はあくまでヒップホップだった。ハードコアには政治意識のある人がいたが、自分にとって自然なのはヒップホップだとした。また、ヴィーガン・ストレートエッジの思想はハードコアが生み出したものではなく、MOVE、黒人解放運動、レゲエ、ヒップホップなど、より古い政治的・社会的文脈から来たものだと捉えていた。

本人は『Foeknawledge: Destroy Babylon』について、人気を狙った作品ではなく、「white Amerikkka」への警告として作ったと説明している。外部の制度を壊すだけでは、人間の内側に支配欲、差別、搾取の考えが残り、別の抑圧が生まれる。そのため「心の中のバビロン」を壊す必要があると主張した。

Cheremとの関係は、ライブでアンコールを頼んだことから始まった。一緒にやるならという流れでステージへ上がり、即興ラップを披露した。その後練習へ参加し、レコードの最後に入れる曲を書いたという。

Foek / F.O.E.K / Foekus / Foeknawledge / Naj.one / Najone / Naj One / Harun or Haroon Najwan Askariは、資料上で同一人物の名義としてつながる。Discogsなどは本名をAaron Hunsakerとしているが、本人のプレスキット、New Eden Records旧ページ、Najoneインタビュー本文では確認できない。そのため、一次資料で確認できる範囲は各活動名義とイスラム名までである。

楽曲と歌詞で扱われる主題

「I Hate George Bush」の収録形態とCherem/Foekusの関係は、前章で整理した。ここでは歌詞に含まれる主題と言葉遊びを扱う。

『We Are the Revolution』ではThe Smiths「Meat Is Murder」をカバーした。Billは、良い曲とメッセージを持ち、ハードコア以外の曲に挑戦したかったと説明している。Austinは子どもの頃にこの曲を聴き、肉・乳製品産業について初めて考えたと振り返り、「肉は本当に殺害だ」と述べた。No EchoのThe Smithsカバー特集でもCherem版が取り上げられている。

2025年12月2日配信の「Whose Side Are You On?」は、2006年以来の新曲である。Bandcampに掲載された歌詞では、「Letters」に喪失と後悔、「In Silence」にハードコア・シーンへの批判、「To the End」に文明と地球の関係、「Whose Side Are You On?」に抵抗、搾取される存在の解放、地球を人間だけの所有物として扱う考えへの批判が記されている。

そのほか、「As the Truth Unfolds」「The Slit Wrist of Humanity」「Eyes Sewn Shut」「Green Rage」「This Failure」「One More Day」「Playing Victim」「Stand Up and Fight」が確認できる。2026年7月11日時点のSpotifyでは、「I Hate George Bush」はCheremとFoeknawledgeの連名で表示され、「The Slit Wrist of Humanity」「Whose Side Are You On?」「I Hate George Bush」「In Silence」などが人気トラック欄に表示されている。

「I Hate George Bush」の歌詞には、ヴィーガン、薬物を使わない生活、ストレートエッジ、活動家の収監、直接行動のテロ犯罪化、政府による第三世界への介入、宗教を根拠とした動物利用への批判が含まれる。歌詞は、直接行動の犯罪化に触れた後でGeorge W. BushとDick Cheneyを名指しする。

Foekusのヴァースには、Minor Threat、Gorilla Biscuits、Disembodied、Throwdown、Aftershockの名前が文中に使われている。また、「kill switch engaged」はKillswitch Engageを連想させる表現として読める。各語を普通名詞としてだけ訳すと固有名詞との重なりが失われるため、本文では歌詞全文を載せず、該当する言葉遊びを要約した。

2002年Undergrounds公演

以下は、Red Magazine / Daily Utah Chronicleが掲載した2002年11月10日のUndergrounds公演記事の要約である。会場や観客の描写は同記事の記者による記述に基づく。

記事はMinor Threat「Straight Edge」の歌詞を引用し、D.C.ハードコア、Minor Threat、The Teen Idles、Uniform Choice、Ian MacKayeの「Don’t drink, don’t smoke, don’t fuck」からストレートエッジを説明する。同時に、ストレートエッジを暴力と結びつけ、ハードラインと酒やドラッグを避ける人々を区別せず扱うことへ疑問を投げかけている。

UndergroundsはState StreetのUpRok Recordsに隣接するカフェの演奏スペースだった。狭い室内には工業的なネオンライト、急いで塗ったような黒い壁、白い冷蔵庫、不揃いの合板の床があり、ステージと冷蔵庫以外にはほとんど物がなかった。

入口付近にはピンクのチェック柄を着た女性が一人で立ち、黒いTシャツとパーカーが多い場内で目立っていた。Trevorは写真撮影者に「真ん中から離れているように」と助言した。

Most Precious Bloodはヘッドライナーだったが到着が遅れ、The Lone RangersとCheremが先に演奏した。Most Precious BloodはCheremのセット途中に到着し、最後に出演した。

記事はハードコア・ダンスを、単なるモッシュではなく、身体による反順応への敬意のように描く。音が始まると円が生まれ、観客は頭を振り、腕を回し、武術のような動きで反応した。曲間には酔った騒ぎ声がなく、次の曲まで静かに待っていた。

Trevorによれば、Billyの叫びは通常の歌声では出せないエネルギーを放ち、狩猟、肉産業、虐殺への怒りを外へ出す助けになっていた。

記事には、Eddie Gというハードコアの愛好者の「ハードコア・ショーで起きている愛を見るには特定の種類の人間が必要だ」という趣旨の発言もある。激しいピットの中でも観客が笑顔を見せていたことを、この夜の公演はその例として伝えている。末尾では、Cheremが大晦日にUpRokで再び演奏すると告知された。

Grimlock公演と「River Runs Red」

メンバーの回想によれば、CheremがSLCでGrimlockと共演し、Life of Agony「River Runs Red」をカバーした際、観客の動きで窓が割れ、友人が外側からしか入れない地下部分へ10〜15フィート落下した。頭から落ちたため救急車が呼ばれ、メンバーは無事を祈ることしかできなかった。

友人は回復したが、Cheremが同曲を再び演奏するまで約2年かかった。その後は、周囲に窓がないことを確認してから演奏するようになったという。

『We Are the Revolution』

Cheremは2006年、Outline Recordsから『We Are the Revolution』を発表した。2005年春と秋にAndy Pattersonが録音し、2001年デモ曲の再録とThe Smiths「Meat Is Murder」のカバーを含む。

Salt Lake City Weeklyは、Dr. Martin Luther King Jr.の引用で始まる11曲入りの作品として紹介し、激しさだけでなく制御された怒りを持つと評した。Billの声には聞き取りにくい部分もあるが、詳しいライナーノーツがそれを補っている。

Trevorは、きれいに歌う曲でもすべての言葉を聞き取れるとは限らず、Pearl JamやBob Dylanのファンも歌詞を完全に理解しているわけではないと例えた。

Billは音楽そのものよりメッセージを重視し、見せびらかしや演奏力の競争を目的にしていないと述べた。曲だけでは伝えられる内容に限界があるため、歌詞解説を使って背景と情報を補っている。

AMP Magazine掲載の回答では、若い人に音楽や人生はMTV、タイトパンツ、メイク以上のものだと理解してほしいとしている。音楽を通して聴き手に情報や考えを伝え、変化につなげることが目的の一つだった。

Billはまた、「自分たちは欠陥を持つように設計されたシステムに生まれた」と述べ、民主主義が企業主義へ置き換えられたこと、限定的な競争、人間を自然の外側に置く発想を批判した。問題を知らないことだけでなく、意図的に見ず、重い真実を遮断する姿勢へ怒りを向けている。

収録曲は「Retribution」「Lies Of Our Past」「Trapped In Torment」「Greatest Day… Ever」「Chaos Theory」「Enemy」「Death Becomes Us」「Meat Is Murder」「Eyes Sewn Shut」「Let Go」「As The Truth Unfolds」。ライナーノーツ全文と、各音源の完全な参加メンバー表は本文に反映していない。

AMP Magazineに掲載された当時の計画

『We Are the Revolution』期には、ブラジルのConfrontoとのスプリット7インチをHeadfirst Recordsから出す計画、Outlineから別の7インチを出す計画、Thom Hartmann『Last Hours of Ancient Sunlight』をもとにしたEP、CD宣伝のためのツアーが語られた。

Austinは、Rod Coronadoとのスポークンワード・スプリットも計画していたが、彼の収監により遅れていると説明した。

「音楽の魔人が願いを叶えるなら何を成し遂げたいか」という質問に、Billは人間の意識の大きな変化を挙げた。持続可能で充実した生活、地球の搾取の終わり、人々が自分の役割に気づくことを理想としていた。

影響を受けたバンドや好きな現行バンドとして、Undying、Buried Alive、Turmoil、Crowbar、Gather、Remembering Never、Time For Change、Immortal Technique、Sleeping Giant、Most Precious Bloodが挙げられた。

インタビューには、Remembering Neverとのツアーを楽しみにしていること、Most Precious BloodやFirst Bloodと回りたいこと、Crowbarへの言及、Halloween 2056やOJ Simpsonをめぐる軽い質問も含まれる。政治的な発言とハードコア誌らしい冗談が混在した内容だった。

Total Liberationと動物解放

以下は、当時のインタビュー、2003年録音資料、謝辞に残されたCherem側の発言と表明を整理したものである。

Cheremは2004年にTotal Liberation Festival in Pennsylvaniaへ出演し、同フェスティバルの支援ライブにも参加した。

動物解放運動の最大の障害について、Cherem側は「恐怖」と答えた。人は異なるものを恐れ、声を上げる者や変化を求める者を悪者にする。戦争に反対すればテロリスト、Patriot Actに反対すれば自由を嫌う者とされる。人は独創性を恐れ、整えられたものを求め、新しい考えを前にすると後退する。それでも強く信じることがあるなら続けるべきだという立場だった。

何をしても反対する人はいる。恐怖のために信念を捨てず、届く人へ少しずつ伝えるしかない。世界を一度に変えることはできないが、小さな変化を積み重ねられると考えていた。

Rod Coronadoとのスポークンワード・スプリットは彼の収監で遅れた。謝辞ではRod Coronado、Peter Young、政治犯、直接行動で収監された人々にも触れている。

活動の停滞と2025年以降の再始動

2007年前後、Billのニューヨーク移住後に継続的な活動が難しくなったが、正式な解散は発表されなかった。

2012年には約6年ぶりにライブを行った。公式Videosページには、2015年3月1日のFoekusとの公演、2018年6月8日、2018年8月31日のフルセット映像が残る。

No Echoが2025年12月に掲載したTrevorへのインタビューによれば、同年、BillがTrevorへ新曲のアイデアを持ちかけた。2人は会議室にギターを持ち込み、外部へ知らせず曲作りを始めた。Micah、Austin、Judgeが加わった後、7曲を制作した。活動再開を事前に告知せず、完成した曲を先に公開する方法を選んだ。

2025年12月2日の「Whose Side Are You On?」は、No Echoによって2006年以来の新曲として紹介された。Bandcamp掲載の歌詞には、行動を起こすこと、搾取されている存在を解放すること、これまでの進歩を守ること、地球を人間だけの所有物のように扱う考えへの批判が含まれる。

Cherem公式Instagramには、2026年2月13日にSalt Lake CityのFellowship Hallで行われた公演の告知と映像が掲載されている。2026年7月11日時点で、7月22日にはKilby CourtでNo Cure、Big Ass Truck、Bayway、BOLTCUTTERと、8月29日にはSoundwellでJudge、Integrity、Strife、Witness Chamberと共演する予定である。Soundwellは8月29日の公演を完売と表示している。

TrevorはNo Echoで、各メンバーに仕事と家族があるため長期ツアーは現実的ではないと説明した。また、再始動の目的は過去曲だけを演奏することではなく、新しい音楽を作ることだと述べている。2026年7月時点で新規公開を確認できるのは「Whose Side Are You On?」と、既存作『In the Land of the Dead』のデジタル版である。残りの新曲は正式な続報を待つ必要がある。

PureVolume、hxcmp3などの旧サービスはアーカイブが不完全で、本文の根拠に使える情報は限られている。

確認できる事実の整理

Cheremは、Salt Lake Cityのヴィーガン・ストレートエッジの文脈で紹介されてきた。一方、Bill Frenchは自分たちの音楽を「Hardcore」と呼び、それ以上のジャンル名による定義を避けている。

初期資料では、活動目的としてヴィーガニズムを伝えることが挙げられている。再結成後の資料と歌詞では、ストレートエッジ、自然、企業主義、グローバリゼーション、国家権力、恐怖、自分の人生に意味を見つけることも扱われている。2003年の文章には、ハードコアの商品化とファッション化への批判、ジャンルの境界を重視しない考え、自分を動かす言葉や音楽を見つけるよう求める内容がある。

『In the Land of the Dead』には3つの版があり、2004年版ではニュース・サンプルと「I Hate George Bush」を外し、2005年版ではそれらを戻している。公式アーカイブには、変更した理由と再び戻した理由が記録されている。「I Hate George Bush」の歌詞には、ヴィーガン、ストレートエッジ、活動家の収監、直接行動の犯罪化、政府と宗教への批判が含まれる。

当時の記事とインタビューには、SLCストレートエッジを暴力と結びつける報道、メンバーが否定した極端な噂、コミュニティ内の募金活動、警察から問題視されたというCherem側の証言が残る。本文では、記事の記述と本人たちの証言を区別して記載した。

2025年以降、Cheremは新曲を公開し、2026年にライブを行った。公式アーカイブ、当時のZINE、地元紙、レーベル資料、後年のインタビューには、2000年代前半のSalt Lake CityでCheremが扱った主題、外部から受けた評価、本人たちの説明が残されている。

I Hate George Bush

All right, you fucking pussies, listen up

よし、このクソビビりども、よく聞け

This is Foekus and Cherem

こちらはフォークスとチェレムだ

This ain’t no rap metal, Limp Bizkit, 311 bullshit

これはラップメタルでも、リンプ・ビズキットでも、311のクソみたいな音楽でもない

This is vegan power, drug-free shit

これがヴィーガンの力、薬物なしのやつだ

We here to let you know how the fuck we feel

俺たちがどう感じているか、はっきり分からせてやる

So get in the pit

だからピットに入れ

I wanna see some punches and kicks

俺は突きや蹴りが見たいんだ

Come on

来いよ

 

Conscious of what I’m eating, so I’m eating vegan

食事の内容を意識しているから、ヴィーガン食を摂っている

I stay away from drugs because I love my freedom

俺は自由を大切にしているので、薬物には手を出さない

Recovering thugs, so a street corner deacon

更生中のワルたち、つまり街角のペテン師

I’m a Minor Threat when I start fire breathing

火を吹き始めたら、俺は小さな脅威だ

 

Synthetic persona, I don’t rock fur coats

作り物の人格、俺は毛皮のコートなんて着ない

Guilt tattoos, the X’s on my throat

罪悪感のタトゥー、喉に刻まれたX

Squeezing Gorilla Biscuits and punk snitches

クエイルードとパンクの密告者たちを絞り出す

A straight-edge celebrity who spit with integrity

誠実さを持って吐き出す、ストレートエッジの有名人

 

A Disembodied martyr with Throwdown speeches

挑戦的な演説を繰り広げる実体のない殉教者

My kill switch engaged with Aftershock beats

余震のテンポに、俺のキルスイッチが入った

That’s right

その通りだ

 

A bright city captain who never has steppin’

一歩も引かない、聡明な都市の隊長

Rude legs with two steps, the mic is my weapon

荒々しい足取りでツーステップ、マイクが俺の武器だ

 

Throw punches and kicks if you’re sick of this shit

こんなクソみたいな状況にうんざりなら、突きと蹴りをぶち込んでやれ

Throw punches and kicks if you’re sick of this shit

こんなクソみたいな状況にうんざりなら、突きと蹴りをぶち込んでやれ

Throw punches and kicks if you’re sick of this shit

こんなクソみたいな状況にうんざりなら、突きと蹴りをぶち込んでやれ

We up in the mix

俺たちは最前線にいる

Throw punches and kicks, throw punches and kicks

突きと蹴りを繰り出し、突きと蹴りを繰り出す

If you’re sick of this shit

もうこんなのうんざりなら

Throw punches and kicks, come on

突きと蹴りを繰り出せ、さあ

Throw punches and kicks

突きと蹴りを繰り出せ

Everybody, listen the fuck up, this is what we’re doing

みんな、しっかり聞け、これが俺たちのやっていることだ

People doing hard time for walking hard lines

厳しい信念を貫いた人が重い刑に服している

Direct action is a terrorist crime

直接行動はテロ犯罪である

Politicians play chess with third world countries

政治家たちは第三世界諸国を駒のように扱っている

But I’m no square, so you punks can’t touch me

でも俺は堅物じゃないから、おまえらガキどもには手出しできないぜ

Throw punches and kicks and start bustin’ shit

突きと蹴りを繰り出して、ぶち壊し始めろ

And if you fed up, say fuck the government

もううんざりなら、政府なんてクソくらえと言ってみろ

 

Bush is a pussy and Cheney’s a dick

ブッシュは腰抜けで、チェイニーはクソ野郎だ

You’re fucking us over and we’re sick of your shit

おまえは俺たちを裏切ってるし、もうおまえのやり方にはうんざりだ

 

Throw punches and kicks if you hate George Bush

ジョージ・ブッシュが嫌いなら、突きと蹴りを浴びせてやれ

Come on, throw punches and kicks

さあ、突きと蹴りを繰り出せ

Everybody throw punches and kicks

みんな、突きと蹴りを繰り出せ

 

Drug-free, vegan power

薬物不使用、ヴィーガンパワー

Come on, throw some fucking punches and kicks out there

さあ、思いっきり突きと蹴りを繰り出せよ

Do this shit

これをやれ

This is how we fucking do it

これが俺たちのやり方だ

Come on all you fucking pussies

さあ、おまえらクソビビりども、来いよ

Get crazy

楽しめ

 

Vegan activists 

ヴィーガン活動家

Radicals convicted

過激派が有罪判決を受けた

Outcasts and misfits, fight against the system

社会から疎外された者たちよ、体制に立ち向かえ

People out there doing time in prison

そこには刑務所で服役している人たちがいる

Straight edge kids fight against the system

ストレート・エッジの若者たちは体制に立ち向かう

If you X up your fist, stick it up in the sky

もしおまえがストレートエッジなら拳を握りしめて、空に向かって突き上げろ

Everybody say, drug-free till I die

みんなで言えよ、「死ぬまで薬物に手を出さない」

If you X up your fist, stick it up in the sky

もしおまえがストレートエッジなら拳を握りしめて、空に向かって突き上げろ

Everybody say, drug free till I die

みんなで言えよ、「死ぬまで薬物に手を出さない」

If you X up your fist, stick it up in the sky

もしおまえがストレートエッジなら拳を握りしめて、空に向かって突き上げろ

Everybody say, drug free till I die

みんなで言えよ、「死ぬまで薬物に手を出さない」

Did you X up your fist and get up in the sky?

おまえのストレートエッジの拳を握りしめて、空へ飛び上がったか?

Everybody stay drug free till I die

俺が死ぬまで、みんな薬物に手を出さないでいてくれ

Yeah

そうだ

Foekus and Cherem

フォークスとチェレム

 

They do these things in the name of religion

アイツらは宗教の名のもとにこうしたことをしている

We don’t do human sacrifice anymore

俺たちは、もう人身供犠なんてやらない

We don’t do cannibalism anymore

俺たちは、もう共食いはしない

We torture animals instead

その代わりに、俺たちは動物を虐待している

And we’re absolutely certain that Jesus loves us for doing it

そして俺たちがそうしているからこそ、イエスが俺たちを愛してくれていることを疑いようもない

I don’t think so somehow

俺はなんだかそうは思えない

Somehow, 

どういうわけか、

I just don’t think that whatever God you may have is all that delighted with torturing animals

おまえが信じる神がどのような存在であれ、動物を苦しめることをそれほど喜んでいるとは思えない