ニュージャージー州Elizabethで動き始めたE-Town Concreteは、1995年夏からハードコア、ヒップホップ、メタルを同じ土台に置いてきた。最初からその混ざり方で立っていたバンドだから、2023年のLevel Upも、懐古的な復活曲として処理するより、E-Town Concreteのやり方が今の時間にもう一度立ち上がった曲として見るほうが流れに合う。

2006年に一区切りを迎えたあとも、バンドは完全に消えたわけではなかった。2012年には9年ぶりの新曲 Someone Tell ’Em を出し、新しいEP制作の動きも表に出ている。そのあとすぐにアルバム単位の本格再始動へ進んだわけではないが、ライブは続いた。2018年にはヨーロッパも回っている。E-Town Concreteの空白期は、何も起きていなかった時間ではなく、新しい音源が少ない一方で現場では生き続けていた時間だった。

そのあいだAnthony Martiniは、バンドの外でも強く動いていた。2021年にはRoyalty ExchangeのCEOに就き、その年のうちにSlip.streamへ移る。2022年にはFN Mekaをめぐる騒動でも名前が大きく出た。E-Town Concreteのフロントマンが表舞台から消えていたわけではなく、音楽ビジネスとテックの側で別の線を走っていた時期だった。この経歴まで含めると、Level Upという題名は単なる勢いの言葉では終わらない。

Level Upは、2022年10月8日のStarland Ballroomで先にライブ披露され、正式リリースは2023年10月20日になった。配信日に突然現れた曲ではない。まず現場で鳴らされ、そのあと正式にリリースされた曲だった。しかも2023年10月17日の公式告知では、金曜配信の前日にSiriusXM Liquid Metalで先に流れることまで案内されていた。バンド自身が、この曲を久々の新曲として明確に押し出していたことがわかる。

この曲について、メンバーが取材で長く意図を説明した公開発言は、現時点では強く確認できていない。ただし、公式の押し出し方には方向がはっきり出ている。公式発信では And since Time 2 Shine all I did was climb という文言が前に出され、別の動画断片では So I chose to level up、from the mud、we never ever stop という言葉が見える。そこから読めるのは、昔の名前をもう一度掲げる感覚ではなく、初期作から続く線を自分たちで引き受けたうえで、まだ上へ行くという意思だ。

制作面を見ても、この曲をAnthonyひとりの独白として処理しすぎないほうがいい。公開クレジットではAnthony Martiniだけでなく、Theodore Panagopoulos、Eric Denault、David Mondragón、Zack Ferentzの名が並ぶ。さらに制作にはSteve Evettsが関わっている。Steve Evetts側の発信でも、E-Town Concreteに対する個人的な思い入れがにじんでいる。Level Upは、長い時間を経た現行E-Town Concreteの共同制作として読むほうが精度が高い。

この曲の見せ方をさらに強くしているのが、公式の短い言葉の置き方だ。リリース当日の公式投稿では I told you が前面に出されている。曲の冒頭で鳴る宣言を、そのまま曲の顔として差し出した形だ。長い解説文はなくても、どこを聞かせたい曲なのかはかなりはっきりしている。Level Upは、下から上がること、止まらないこと、見返すことを正面から前に出した曲として公開された。

実際、この曲は一度出して終わりではなかった。2023年11月のSiriusXM Liquid Metal Top 50に入り、その後もセットリストに残り続けている。2024年には Written In The Scars、年末には Bulldozeと組んだ Drones for Xmas が続き、2025年にはライブ音源としての Level Up まで配信に乗った。2023年のこの曲は単発の復活ではなく、その後の流れの入口として機能した。

その意味でLevel Upは、長い沈黙を破った一曲という説明だけでは足りない。2006年の区切り、2012年の再始動の痕跡、断続的なライブ、Anthony Martiniの別線の拡張、2022年のライブ先出し、2023年の正式投入、そこから先の継続。その全部を背負っている。E-Town Concreteはこの曲で過去をなぞったのではなく、まだ自分たちは先に進む側だと示した。

なお、曲の背景や発表までの流れはかなり固められる一方で、公式の全文歌詞掲載と、メンバーによる長い曲解説インタビューは今回の公開情報では確認できていない。現時点では、一行ごとの細かい断定より、発表経緯、制作体制、公式告知の文言から読むほうが安全で強い。

LEVEL UP

I told you before they buried me that I would get mine

俺が埋められる前に言っただろ、俺が手に入れる時が来るって

It’s this time to shine all

今が輝く時だ

I did was climb cause all

俺がやったのは登ることだけ

I did was grind All

だって俺はただ努力してきたんだ

I did was manifest lies Decided in my mind

嘘を具現化してきて俺は心の中で決めた

I put affirmations to every single lyric

歌詞の一つ一つに肯定の言葉を込めた

They thought I was just ignorant, they wanted hearing

みんなは俺がただの無知だと思ってた、でも聞こうともしなかった

They should’ve listened, they couldn’t learn something

彼らは耳を傾けるべきだったのに、何も学ぶことができなかった

From a hustle who can teach you how to earn something

稼ぎ方を教えてくれる一生懸命さから

Take the fire in your eyes and burn something

目の奥に炎を宿して何かを燃やせ

Take the hard times in your life and turn something for nothing

人生の辛い時期を経て、何もないところから何かを生み出せ

Cause that’s where I come from

だって俺はそこから来たから

And they thought I was bluffing I said

そしてみんなは俺がはったりを言ってると思ってた

I make amilly Instead

俺は「百万稼ぐ」って言ったけど、

I made a few of those private jets Yeah, I flew in those

プライベートジェットを何機か作ったよ、それで飛んだんだ

Nick Froze risk cold in the newest roles

ニック・フローズは最新型のロールスロイスで寒さ対策

When you’ve a ripped apart holes in the root 

でもその根源の穴を引き裂いて俺が選んだのは

I chose Yeah, if they can see me now, pull up

そうだ、もし彼らが今俺を見ることができるのなら、車を止めてくれ。

They see a ghost and they don’t speak a sound

もしあいつらが今の俺を見たら、引き寄せられて黙っているか

Or they say it’s wow, that’s the two from E-town

「うわっ、あのEタウンのやつだ!」って言うだろうな

I had the level up they can’t keep me down, bitch

俺はレベルアップした、もう俺を止められないぜ、情けない奴だぜ

Cause levels to this shit so you got to make a choice

だってこの世界にはレベルがあるから、選択をしなきゃいけない

Look at either step aside, get stepped on Step it up, step it up, in a way life is crippled

横にどけるか、踏まれるか、それとも一歩前進、一歩前進、人生が不自由であっても

And they’re praying to get a voice

みんなは声を出して祈っている

So much of the level up I

レベルアップするんだ、俺は

I come from I come from the day

俺が来た場所を知ってほしい、俺はそこから来たんだ

I come from I come from the night

俺は日の当たる場所から来た、日の当たらない場所から来た

I come from I come from the final

俺は底辺から来た

All I took of that was wishin’ making that I had the level up

あれが俺の願いだった、願いを込めてレベルアップを願った

From the month when we never ever stopped Come here and then

俺たちは決して止まることなく、日進月歩

I gotta run you down

そして今、俺を走らせるんだ

Since the day

あの日から

I’m dead I gotta step it up, step it up, step it up

死んでからのことなんて考えずに一歩前進を重ねていく

Coming from the top and you gotta know this night you’re

そして、ここから上に行くんだ、夜を超えて

I come and from the bottom all

俺は底辺からやって来た

I want are two wish-wheels

俺が欲しいのは二つの願いと原動力

I hear and I hear and I

聞こえるんだ、俺には聞こえるんだ、俺には

I come from I come from the day

俺は日の当たる場所からやって来た

I come from I come from the night

俺は日の当たらない場所からやって来た

I come from I come from the final

俺は最終地点からやって来た

All I took of that was wishin’ making that I had the level up

その後は願いを込めて、レベルアップを望んだ

Cause you’re fucking way up

だからこそ今、クソみたいにレベルアップするんだ

Break it down Break it down

落ち着いて、落ち着いて

I came from the dark

俺は日の当たらない場所からやって来た

I came up from the mind

俺は心の中から這い上がって来た

I came up from the concrete

俺はコンクリートから這い上がって来た

I came up from shivering

震えていたところから這い上がって来た

Now fuck it up

今それを帳消しにする

I come from I come from the day

俺は日の当たる場所からやって来た

I come from I come from the night

俺は日の当たらない場所からやって来た

I come from I come from the bottom

俺は底辺からやって来た

All I took of that was wishin’ making that I had the level up

全ての教訓から俺が得たのレベルアップを強く願うばかりだ