「So Many Nights」は、眠っている最中に鍵が外れる音で叩き起こされる場面から始まる。そこから先は、貧困、家庭内の暴力、夜の恐怖が続き、心が冷えていく。無垢が消える。最後に残るのは「それでも止まらない」「逃げない」という決意だ。

クレジットは、作詞:Anthony Martini/作曲:E-TOWN CONCRETE。歌詞はAnthony Martiniの言葉で、曲はE-TOWN CONCRETEとして鳴らしている。

E-TOWN CONCRETEはインタビューで、「So Many Nights」は本来もっと広く届く曲だったと振り返っている。同時に、この曲が“バラードっぽい”と茶化されることがあっても、題材は現実そのものだと言い切っている。だから曲調がメロウに聴こえても、中身が軽いわけではない。重い話を語るなら、音もその感情に合っていないと意味がない。無理に硬い音に寄せるのではなく、内容に合う鳴り方を選ぶ。E-TOWN CONCRETEはそう説明している。

さらにE-TOWN CONCRETEは、この曲が今でもハードコアの現場で大きい曲のひとつだとも話している。メロウだから場違い、という扱いではない。現場で残ってきた曲として語られている。

歌詞の方向性についても、E-TOWN CONCRETEは「人を鼓舞する歌」ではなく、「こうありたい/こう生きたい」という願望と意志のほうが強かった、と整理している。だからこの曲は“元気をもらう”より、“腹を決める”ほうに効く。

バンドの作り方もはっきりしている。E-TOWN CONCRETEはrapcore/rap metalの“型”に自分たちを押し込めない。毎曲に「ラップパートを必ず入れる」みたいな決まりを作らない。曲ごとに振れ幅を出す。その結果、万人向けにはなりにくく、刺さる人に深く刺さる。インタビューでは、地元や大都市の空気(ヒップホップにも馴染みがある層)には伝わりやすい一方で、中西部では理解されにくい場面があった、という趣旨の話も出ている。「So Many Nights」は、その振れ幅の中でも“広く届く可能性”と“現実の重さ”が同居した代表曲として位置づく。

この記事は歌詞和訳がメイン。直訳すると意味が死ぬスラングと比喩だけ、必要な箇所を最小限で補足する。記事の最後にYouTube動画も置いているが、インタビューでは権利の都合で投稿が消えることがある、という話も出ている。リンクが切れていたら別の動画を探してほしい。

SO MANY NIGHTS

SO MANY NIGHTS I PRAYED THAT THIS WOULD JUST STOP.

数えきれないほどの夜、ただこれが終わってほしいと祈った。

AWOKE OUT OF MY SLEEP BY A SOUND OF A POPPED LOCK.

鍵がこじ開けられる音で眠りからたたき起こされた。

MY HEART WOULD DROP TO THE GROUND,

俺の心臓が止まるかと思った、

MAYBE THE FACT THAT MY POPS WASN’T AROUND FORCED YOU TO FOUND

たぶん俺の親父がそばにいなかったという事実が、あんたは関わる羽目になったんだ、

THESE GUYS THAT WOULD JUST KNOCK YOU DOWN AND BEAT YOU AROUND.

ただあんたを倒して、あんたをボコボコに殴りまくるだけのあんな連中を。

I DON’T KNOW, MY INNOCENCE WAS LOST BACK THEN NOT TO BE FOUND.

わからないけど、あの時失った純粋さは二度と戻らない。

AND IN A SENSE ITS LIKE THIS WORLD WAS JUST WEIGHING ME DOWN,

ある意味、この世界はただ俺を押しつぶしていたようなもので、

LEANING IT’S WEIGHT HARD ON MY SHOULDERS.

その重みが肩に食い込むみたいに圧し掛かってた。

MAKING MY HEART LESS WARM AND MUCH MORE COLDER,

心の温度を奪って、もっと冷たくしていった。

CHIP OFF MY TOOTH AND A CHIP ON MY SHOULDERS.

歯は欠けていて、喧嘩腰の態度。

I TOLD YA’LL THAT I DON’T PLAY.

おまえらに言っただろ、俺はふざけてなんかないって。

I SEEN DRAMA EVERY GODDAMN DAY.

毎日クソみたいな揉め事を目にしてるんだ。

SO GO AHEAD, YIP YAB AWAY, CAUSE’ NOW YOU GOT A LOT TO SAY.

ほら、好き勝手に吠えとけよ、だって今のおまえには言いたいことが山ほどあるんだろ。

 

CAST YOUR JUDGMENTS, CAST ALL YOUR STONES

裁きを下し、石を投げつけろ

HOLDING MY HAND, HOLDING ON TO EVERYTHING I HAVE

俺の手を握ってろ、俺が持ってるものすべて手放すな。

BECAUSE IT’S SLIPPING AWAY SO FAST AND IT’S ALL I HAVE.

だってあっという間に消え去ってしまうから、それが俺にとってのすべてなんだから。

 

I WAS LIKE 6 THEN, WE AIN’T HAVE A POT TO PISS IN.

あの頃は6歳で、うちは超貧乏だった。

WHILE MOST KIDS LIVES CONSIST OF SHINE AND GLISTEN,

ほとんどの子供たちの生活は輝きと煌めきに満ちているが、

MINE WAS LINED WITH MISCHIEF. A BOY FLIPPING.

俺の人生は悪さと荒れで塗りつぶされてた。キレたガキだった。

DEVOID OF TIMES YOU FIND JOY TO REMINISCE IN.

あとで懐かしんで笑えるような時間なんて、ひとつもなかった。

IT’S LIKE TIME WAS MISSING, YEARS WERE PASSING.

まるで時間が欠けていたようで、年月が過ぎていった。

I WAS INSIDE WHILE KIDS WERE OUTSIDE LAUGHING.

子供たちが外で笑っている間、俺は中にいた。

NO TIME FOR GAMES, THEIR FAKE TOY PLANES WERE CRASHING,

遊んでる暇なんてない、あいつらはおもちゃの飛行機を墜落させて遊んでたのに。

WHILE ME..MY LIFE WAS CRASHING.

一方で…俺の人生は崩壊していた。

AT NIGHT FIST FIGHTS LEFT MY MOM’S FACE SMASHED IN.

夜、殴り合いの喧嘩で母親の顔がぐしゃぐしゃにされた。

HER MAN’S BLASTED, HE THREW HER DOWN A FLIGHT OF STAIRS.

彼女の男はキマってて、ソイツは彼女を階段から転げ落ちさせたんだ。

ALONE AND SCARED I STARED IN EYES OF MEN WHO DIDN’T CARE.

孤独で怯えながら俺は無関心な男たちの瞳を見つめた。

MY FATHER WAS NEVER THERE. 

父親は決してそばにいなかった。

NOW I AM PREPARED FOR THIS LIFETIME THAT IS UNFAIR. 

すぐに俺は覚悟を決めた、この不公平な人生に。

IN LIFE I FIGHT FROM THE BOTTOM TO THE TOP.

人生において俺は底辺から頂点まで這い上がるために戦う。

IN THIS LIFE I HAD TO FIGHT FOR ALL THAT I GOT.

この人生で手に入れたものは全て戦い抜いて得たものだ。

IT HURTS BUT I STILL WON’T STOP TIL MY CASKET DROPS.

痛いけどそれでも止まらない、棺桶に入るまで。