
Blood Green は、RAID の音源の中で先頭に置かれた曲として確認できる。後年の Brian Venable は、RAID の音源はデモ2曲、7インチ全体、そして Blood Green の録音群でできていたと話している。Brian はその録音群について、とても良かった、強烈だったとも話している。初期の RAID については、禁酒・禁煙・薬物拒否の段階にあり、最初のデモは当時のその系統のハードコア寄りだったとも話している。RAID の感じを Earth Crisis が持っていったという話、RAID のCDは Hardline Records が出したという話も、同じ回想の中にある。
当時の外側の記録としては、RAID の取材記事が複数の zine に載っていたことが確認できる。House O’Pain #1 は、Raid、Sockeye、Radiation Sickness の取材記事を載せた20ページの第一号として紹介されている。紹介文では、地元の場面の記事がいちばん良かったとも書かれている。Look Within #3 は Krishna 系の zine として紹介され、その中に RAID の取材記事があると書かれている。Cottonmouth #2 は、Sadhana、Amenity、Born Against、Raid の取材記事を載せた三十ページの zine として確認できる。社説が中絶問題を扱っているという評もあり、紹介文の最後では、良いものもあればかなり笑ってしまうものもあると書かれている。Destroy Babylon #3 は、Raid、Talisman、Rodney Coronado の取材記事を載せた zine として紹介されている。紹介文では、二人が Hardline に入っていく話、飲酒運転で亡くなった Hardline の少年の話、ポルノ、ヴィーガンの筋力トレーニングにも触れていると書かれている。見た目を整えることにも手間をかけているという評もある。
これらの紹介文には、当時の読み手が RAID をどう受け取ったかも残っている。Look Within #3 の紹介文では、RAID の取材記事は反ポルノ、動物の権利、反肉食に加えて、反同性愛、反ミルクとも受け取られている。Cottonmouth #2 の紹介文では、RAID の取材記事は無政府主義に近い態度を持つものとして要約されている。Destroy Babylon #3 の紹介文では、その RAID の取材記事は、当時 Hardline に立ちながら、それに批判的でもあったので面白かったと書かれている。Destroy Babylon #3 の中の Rodney Coronado の取材記事については、HaC #9 に載ったものと似ているが、この zine では意味合いが違って見えるとも書かれている。ここで残っているのは取材記事本文ではなく紹介文なので、これらの表現は当時の読み手がそう受け取っていた記録として残る。
後年の Brian Venable は、MRR の Hardline 関連の紹介文は、最初から悪い紹介になる流れだったと話している。RAID について残っている当時の紹介文の空気も、その流れの中にある。
Blood Green の周辺にあった当時の言葉としては、1992年の Earth First! に載った Memphis Hardline 名義文と、1992年の MRR に載った JP of Memphis Hardline の手紙がある。前者には、牧場、屠殺場、肉市場への破壊工作に触れる文がある。後者には、A.L.F. の活動と逮捕者の話がある。RAID の周辺にあった当時の言葉として、破壊工作、動物解放、逮捕という語が同じ時期の紙面に出ていた。
後年の Steve Lovett は、自分が Blood Green を書いたと話している。あわせて、当時の自分を人間嫌いで機械文明を嫌う人間だったと振り返り、Blood Green の言葉自体はいまも信じるが、いまなら書き方は変えるとも話している。技術そのものに善悪が内在しているわけではないという言い直しもある。狙いを絞った計画的な直接行動には一定の支持を示しながらも、放火型の行為は世論の面では失敗になりやすいとも話している。
後年の Sean Muttaqi は、Memphis は Hardline が機能した初期の場所の一つで、RAID はその中心の一つだったと話している。Blood Green が RAID の音源の先頭に置かれた曲であり、後年の Brian Venable がその録音群を強く記憶していて、当時の zine には RAID の取材記事が複数載り、周辺には Memphis Hardline の破壊工作や A.L.F. をめぐる言葉が実際に出ていて、後年の Steve Lovett がこの曲の言葉を自分で書いたものとして振り返っている。
Blood Green
Born into an age of anthropocentricity where nature is considered an evil, a wild that must be tamed.
自然が悪と見なされる人間中心主義の時代に生まれ、飼いならさねばならない野性。
Humanity is now a plague, a cancer to the ecosystem.
人類は今や疫病であり、生態系にとっての癌である。
Stop the machine: society, before we reach total annnihilation.
機械を止めろ:社会よ、我々が完全なる滅亡に到達する前に。
Blood Green (x2)
血は緑
Burn It Down
燃やせ
Ecotage for self-defense, Nature is our home that we must defend.
自己防衛のための環境破壊に対抗する破壊工作、自然は俺たちが守らねばならない俺たちの家である。
Man and earth are one.
人と大地は一つである。
This is the final truth for global salvation.
これが世界救済の究極の真理である。
This is a call to arms for those who put nature above themselves.
これは自然を己より尊ぶ者たちへの戦いの呼びかけである。
4 1/2 billion years of earth is on the verge of extinction!
地球の45億年の歴史が絶滅の危機に瀕している!
Blood Green (x2)
血は緑
Burn It Down
燃やせ
Destroy the poison of technology that is killing the land.
土地を殺しているその技術の毒を破壊しろ。
This is your ultimatum and you better heed our demand.
これがおまえらへの最終通告で俺たちの要求に従うのが賢明だ。






