SUICIDE SILENCE - Don't Die (OFFICIAL LYRIC VIDEO) - YouTube

Suicide SilenceのDon’t Dieは、題名の時点でもう逃げ場がない。死ぬな。その一言を真正面から掲げた曲だ。この曲が強く響くのは、Mitch Luckerの死後、Eddie Hermidaを迎えて初めて作られたアルバムの中で鳴っているからでもある。バンドはこの時、単に新しいボーカルを入れて先へ進もうとしていたわけではない。大きな喪失を抱えたまま、それでも何を歌うのかを決め直さなければならなかった。Don’t Dieは、その再出発のど真ん中で生まれた曲として聴くべきだと思う。

新しいボーカルに選ばれたEddie Hermidaは、もともとAll Shall Perishのフロントマンとして知られていた。けれど彼は、空いた席に外から呼ばれた無関係の後任ではなかった。Suicide Silenceとは以前からツアーで接点があり、Mitchとも個人的な関係があった。Eddie自身も、Suicide Silenceは前から家族のような存在だったと話している。だからDon’t Dieで響く声には、代役の距離感がない。失われたものの重さを知ったうえで、それでもこのバンドの役目を引き受ける人間の声として、この曲は始まる。

Eddieは当時、この曲をファンへのメッセージだとはっきり説明していた。自分がなぜこの音楽をやるのか、なぜSuicide Silenceの前に立つのか、その根本を示す曲だという。しかも、自分は新しいボーカルではあるが、ファンがMitchを愛したのと同じ理由でここにいるとも語っていた。ここがこの曲の核だと思う。Don’t Dieは、Mitchの空白を埋めるための歌ではない。Mitchを失ったあとでも、このバンドが人を支える側に立ち続けることを示す歌として書かれている。

冒頭のLife is a prison imagined by the demons withinは、この曲の方向を最初に決める一節だ。人生は牢獄だというだけなら、絶望の比喩として流れてしまう。けれど imagined by the demons within と続くことで、その牢獄は外から閉じ込められた場所ではなくなる。内側で膨らむ絶望、怒り、自己否定、不安、そうしたものが人生全体を牢獄のように見せてしまう。そのあとに続くIt’s in your head so get the fuck out and come see meも、軽い精神論には聞こえない。ひとりで閉じこもったまま壊れていくな、こっちへ来い、誰かのいる場所へ出てこいという切迫した呼びかけとして響く。この曲は最初から、内面の地獄と、そこから抜け出すための現実の場所の両方を見ている。

I will give you every ounce of my beingという反復も重要だ。ここには、俺が救ってやるという上からの響きがない。自分の持っているものを全部使ってでも、この瞬間を支えたいという差し出し方がある。So let it drain out、Send every bit of that hate out to meと続く流れも印象的だ。この曲は、憎しみを捨てろと言わない。怒りを綺麗にしろとも言わない。そのまま持って来い、そのままぶつけろ、その代わりひとりで抱えて沈むなと言っている。ここにSuicide Silenceらしい剥き出しの優しさがある。

曲の中心にあるWe sing these songs so that you don’t dieは、この一曲を決定づける行だと思う。ここまで露骨に生存を掲げるのは、極端な音楽性のバンドとしてはかなり異様だ。しかも、その対象はbroken down、beaten up、pushed asideと歌われる側に向いている。壊れた者、打ちのめされた者、押しやられた者。この言葉には、強い側が弱い側を励ます響きがない。自分たちもまたそちら側から歌っている感覚が前提にある。だからYou aren’t alone in this path of lifeも、ありふれた慰めで終わらない。同じ側に立つ人間が、ここにはまだ居場所があると伝える言葉として残る。

A pit of redemptionという言い方も、この曲の感触をよく表している。贖いを語るのに、光や希望のような綺麗な言葉を選ばず、pitという落ちる感じのある言葉を置いてくる。ここにこの曲の誠実さがある。救いを語っているのに、救われた後の綺麗な姿を見せない。苦しみや憎しみを完全に消した先に救いがあるとは言わず、それを抱えたままでも自分の場所は見つけられると歌っている。Taken in arms we make hate our homeも、憎しみを礼賛しているというより、憎しみを抱えた人間同士がその感情ごと受け止め合う場所を作ろうとしているように読める。だからDon’t Dieは薄い希望の歌に聞こえない。

この曲が収録されたYou Can’t Stop Meというアルバム自体も重要だ。これはEddie加入後初のフルアルバムであり、Mitchを失って以降初めての本格的な新作だった。タイトル曲にはMitchが残した言葉も使われ、バンドは彼の不在を消さずに抱えたまま前へ進もうとしていた。そうした作品の中にDon’t Dieがあることにははっきり意味がある。これは新体制の挨拶ではない。喪失を通り抜けたバンドが、それでもなお人に向かって生き延びろと言う曲だ。その重さが、この一曲の根にある。

Mark Heylmunはこのアルバムについて、これまで以上に心血を注いだ作品だと話していた。実際、Don’t Dieにはただ曲を書いた以上の切実さがある。Mitchの死後、Suicide Silenceが続くべきかどうか自体が問われていた時期に、それでも続けるなら何を歌うのか。その答えの一つがこの曲だったと考えると、We sing these songs so that you don’t dieの響きはさらに変わる。これは単なるフレーズではなく、自分たちがまだバンドでいる理由そのものにかなり近い。

Don’t Dieを単なる励ましソングとして片づけると、この曲の強さはかなり薄くなる。ここで歌われているのは、前向きに生きようとか、希望を持とうとか、そういう軽い話ではない。憎しみがあること、壊れかけていること、押しやられていること、そういう現実を前提にしたうえで、それでも死ぬなと言っている。しかも、ひとりで耐えろとは言わない。会いに来い、憎しみをぶつけろ、ここで一緒に歌おうと言っている。この距離の近さが、この曲をただのメッセージソングで終わらせていない。

Suicide Silenceはもともと暴力的な音楽で知られたバンドだし、Don’t Dieにもその激しさは残っている。けれど、この曲の中心にあるのは暴力ではない。broken down and pushed asideの側に立ち、そこで終わらせず、音楽をただの発散ではなく生き残るための場所として差し出すことだ。Eddie HermidaがAll Shall Perishで積み上げてきた激しい表現力と、Mitchの死後という極端に重い状況の中で引き受けた役割が、この曲ではかなり真っ直ぐに結びついている。だからDon’t Dieは、Suicide Silenceの歴史の中でもかなり特別な一曲だと思う。喪失のあとに始まった新しい章で、バンドが最初に掲げたのが死ぬなという剥き出しの言葉だった。その事実だけでも、この曲がどれだけ本気だったかは十分に伝わってくる。

Don’t Die

Life is a prison

人生は牢獄である

Imagined by the demons within

内なる悪魔が思い描いた

It’s in your head so get the fuck out and come see me

それはおまえの頭の中の問題だ、だからさっさとそこから抜け出して俺に会いに来い

I will give you every ounce of my being

俺は自分の存在のすべてをおまえに捧げよう

I will give you the strength

俺はおまえに強さを与える

I will give you every ounce of my being

俺は自分の存在のすべてをおまえに捧げよう

I will show you my strength

俺はおまえに実力を見せてやる

So let it drain out

だから、それを流してしまえ

Send every bit of that hate out to me

その憎しみのすべてを俺にぶつけてこい

We are here to make this moment eternal

俺たちはこの瞬間を永遠にするためにここにいる

Just give me your hate

ただ君の憎しみを俺にくれ

I will give you every ounce of my being

俺は自分の存在のすべてをおまえに捧げよう

I will give you the strength

俺はおまえに実力を見せてやる

I will give you every ounce of my being

俺は自分の存在のすべてをおまえに捧げよう

Just give me your hate

ただ君の憎しみを俺にくれ

We have been beaten down, we have been pushed aside

俺たちは叩きのめされてきたし、俺たちは脇へ追いやられてきた

We sing these songs so that you don’t die

俺たちはおまえが死なないようにこれらの歌を歌う

 

We sing these songs for the broken down

俺たちは打ちひしがれた者たちのためにこれらの歌を歌う

The beaten up and pushed aside

打ちのめされて押しのけられた

You aren’t alone in this path of life

この人生の道でおまえは一人じゃない

We sing these songs so you don’t die

俺たちはおまえが死なないようにこれらの歌を歌う

So you don’t die

だからおまえは死なない

 

I will show you a pit of redemption

俺はおまえに贖いの穴を見せてやる

A place where you can find your own

おまえが自分を見つけられる場所

We won’t be tortured by the hatred

俺たちはその憎しみによって苦しめられたりしない

Taken in arms we make hate our home

腕に抱かれて、憎しみを俺たちの居場所とする

We are the beaten and pushed aside

俺たちは打ちのめされ、押しやられた者たちだ

We sing these songs so you don’t die

俺たちはおまえが死なないようにこれらの歌を歌う

We are the beaten and pushed aside

俺たちは打ちのめされ、押しやられた者たちだ

We sing these songs so you don’t die

俺たちはおまえが死なないようにこられらの歌を歌う

(Die)
(死)

We sing these songs so you don’t die

俺たちはおまえが死なないようにこれらの歌を歌う

(We sing the songs for the broken down)

(俺たちは壊れた者たちのために歌を歌う)

(The beaten up and pushed aside)

(俺たちは打ちのめされ、押しやられた者たちだ)

(You aren’t alone in this path of life)

(この人生の道でおまえは一人じゃない)

We sing these songs so that you don’t die

俺たちはおまえが死なないようにこれらの歌を歌う

We sing the songs for the broken down

俺たちは壊れた者たちのために歌を歌う

 

The beaten up and pushed aside

俺たちは打ちのめされ、押しやられた者たちだ

You aren’t alone in this path of life

この人生の道でおまえは一人じゃない

We sing these songs so you don’t, you don’t, die

俺たちが歌うのはおまえが死なないため、おまえは、死なない

We sing these songs so you don’t die

俺たちはおまえが死なないようにこれらの歌を歌う