Amazon Music - Suicide SilenceのBLUDGEONED TO DEATH [Explicit] - Amazon.co.jp

Suicide SilenceのBludgeoned To Deathは、題名の時点でかなり露骨だ。撲殺。その言葉どおり、歌詞も最初から最後まで容赦がない。相手を無価値だと言い切り、疫病神と呼び、最後には顔も判別できないほど叩き潰すとまで吐き捨てる。ここまで来ると、この曲をきれいな教訓や整った社会批評として読むより、初期Suicide Silenceが持っていた攻撃性そのものとして受け取ったほうが自然だと思う。

この曲を強くしているのは、単に歌詞が過激だからだけではない。Bludgeoned To Deathはデビュー作The Cleansingの中の一曲で終わらず、バンドが初期の看板曲として押し出していた曲でもあった。2007年の時点で映像化され、ライブの凶暴さをそのまま捉える曲として扱われていたことからも、Suicide Silence自身がこの曲を自分たちの象徴の一つとして見ていたことが分かる。つまりこれは埋もれた残虐ソングではなく、The Cleansing期の顔として前に出された一曲だった。

The Cleansingというアルバム名そのものも、この曲の読み方を助ける。Mitch Luckerは当時、アルバムタイトルを人類に対する ruthless cleansing の感覚で語っていた。世の中にはおかしいことが多すぎる。人間のあらゆる面に間違った部分がある。そういう苛立ちを、彼はかなりむき出しのまま言葉にしていた。Bludgeoned To Deathの歌詞にある人類の疫病神という言い方や、相手を存在ごと消し飛ばしたいような表現は、その延長線上にある。ここで歌われている暴力は、個人的な喧嘩の描写というより、初期Mitchが抱えていた苛立ちと嫌悪を、極端な言葉へ一気に押し込んだものとして読むと筋が通る。

しかもMitch自身は、この時期の brutal lyrics の出どころについてもかなり率直だった。自分は気性が荒い。嫌いなものが多い。人の欠点を指摘し、何かがおかしいと晒し、相手をその場で吊し上げるような感覚がある。そうした怒りの言語がそのままThe Cleansing期の歌詞へ入っていた。Bludgeoned To Deathの異様な侮蔑も、その文脈に置くと分かりやすい。この曲は説得より先に、敵意を叩きつけることで成立している。

歌詞の中でも特に印象が強いのが、You’re worthless, you plague humanity と、Doctors won’t be able to recognize your fucking face! のあたりだろう。相手をただ嫌うだけでは足りず、人類にとって有害な存在と断定し、その末路を肉体的破壊のイメージで描く。この飛躍こそが、初期Suicide Silenceの特徴でもあった。普通なら言い過ぎで止まるところを、そのまま踏み抜いていく。だからこの曲は、共感しやすい歌というより、暴力性そのものをショックとして突きつける歌として機能している。

そのショック性は、映像の扱われ方にも表れている。バンドはこの曲のビデオを撮影したが、最初の映像はMTVに拒否され、そのあとでも創造性や強度をなるべく落とさずにやり直そうとしていた。しかも問題にされたのは、ただ流血が多いからではなく、映像の暴力性と歌詞内容の組み合わせだった。ここは重要だと思う。Bludgeoned To Deathの過激さは、後からファンが深読みして危険だと言ったのではなく、当時の時点で実際に摩擦を生んでいた。バンド自身も、その過激さを自分たちの武器として自覚していた。

その一方で、この曲を今あらためて読む時に大事なのは、後年のMitchがThe Cleansing期をどう見返していたかだ。彼は後に、この時期の歌詞を sensationalist で、時には ludicrous だったと振り返っている。そしてThe Cleansingは人を怒らせるための blasphemous stab だったとも語っていた。ここはかなり大きい。Bludgeoned To Deathを今の記事で扱うなら、この曲を深遠な思想の歌に持ち上げすぎないほうが、むしろ正確になる。初期衝動としての過激さ、挑発としての残虐さ、わざと人をざわつかせるための言葉。その線で捉えたほうが、この曲には合っている。

だからBludgeoned To Deathは、Suicide Silenceの代表曲の中でも少し特殊だ。後年の楽曲みたいに、内面や人生観が整理されて前へ出てくる曲ではない。もっと剥き出しで、もっと乱暴で、もっと若い。だが、その荒さこそがThe Cleansing期の魅力でもあった。ドキュメンタリーで語られているように、当時の彼らはただひたすら重く、暴力的で、頭のおかしいものを作りたかった。ライブではその ferocity がそのまま支持され、レビューでも絶賛と酷評が真っ二つに割れた。Bludgeoned To Deathは、そういう時代のSuicide Silenceを一曲に圧縮したような曲だと言っていい。

この曲を今読む価値は、単に残酷だからではない。Suicide Silenceがどこから始まり、何で人を惹きつけ、何で反発も招いたのかが、この一曲にはかなり濃く出ているからだ。人格否定、肉体破壊のイメージ、過剰なまでの敵意、ライブで爆発するための凶暴なエネルギー。その全部が、The Cleansingという出発点の中でまとまっている。Bludgeoned To Deathは、洗練された後年のSuicide Silenceを知ったあとで聴くと、少し危うく、少し幼く、かなり無茶だ。けれど、その無茶さこそが、当時のバンドが前へ出るために必要だった衝動だったのだと思う。

Bludgeoned To Death

You’re worthless, you plague humanity

おまえは無価値で、人類の疫病神だ

Be nothing without me

俺なしでは何者でもない

Your curses try to get back to me

おまえの呪いが俺のもとへ戻ろうとする

But still there is no time

それでも、まだ余裕がない

Bludgeoned

撲殺

Your curses with thoughts and narration

おまえの思考と語りを伴った呪い

For what I say

俺が言うことに対して

Hope you listen

おまえが聞くのを願う

Your cursed with thoughts and narration

おまえの思考と語りを伴った呪い

This is what you get

これが結果だ

I made you smile

おまえを笑わせた

And doctors won’t be able to recognize your fucking face!

だから医者たちでさえ、おまえのクソみたいな顔を識別できなくなるだろう!

Be, be nothing, be nothing without me

ない、何者でもない、俺なしでは何者でもない

How could you think that I was joking

どうして俺が冗談だなんて思えたんだよ

But I’m not, be nothing, be strong, without me

でも俺は違う、何者でもない、強くあれ、俺なしで

But still curses crumble as we let this happen

それでも呪いはこの事態を許すままに崩れ落ちる 

We can’t let this happen

こんなこと許せない

As we all come down

俺たちみんなが落ちれば

We can’t

俺たちは無理だ

Because [2x]

なぜなら

You abide by something funny

おまえは何か奇妙なものに従う

What’s funny now?

今、何がおかしいんだ?

You abide by something sacred

おまえは神聖な何かに従う

You found it gone

それが消えたのに気付いた

Inside [3x]

内側で

Your curses die

おまえの呪いは死ぬ

Inside [3x]

内側で

Your curses die

おまえの呪いは死ぬ