TerrorのKeepers of the Faithという題名は、Scott Vogelが韓国のクラブの男子トイレの壁で keep the faith という言葉を見たことから生まれた。Scottはその言葉を起点にして Keepers of the Faith という題名を考えた。録音前の段階で、ScottはPatrick Kitzelと一緒にロゴを作り、ステッカーやシャツも先に動かしていた。Martin Stewartは、韓国の後に日本を回っていた2009年秋の時点で、その題名がすでにScottのノートに書かれていたと話している。

この時期のTerrorには、編成面でも大きな変化があった。David Woodは2008年に加入し、Jordan Posnerも同じ年の秋にBuffaloで試奏して正式に加わった。Garage Castでは、DavidとJordanの加入によってバンドの空気と勢いが大きく上向いたことが、メンバー自身の言葉で語られている。Keepers of the Faithは、その流れの中で作られた。

制作方法もこの作品で大きく変わった。Scottは後年、Keepers of the Faithについて、初めてメンバー全員が同じ部屋に入り、全員が意見を出し、全員が納得した十三曲を持って部屋を出た作品だと振り返っている。Garage Castでも、Nick Jettが、それまでのように限られた人数で決める形ではなく、DavidやJordanを含めた全員と、さらにChad Gilbertも加わって曲を詰めた最初の作品だったと説明している。プリプロダクションはSwing Houseで行われ、五日ほど、あるいは一週間近く、毎日長い時間を使って曲順、構成、展開、採用曲が詰められた。

Chad Gilbertの関わり方も、このアルバムの特徴としてはっきり残っている。アルバムの方向性を考える中で、外から強く関わる人物が必要だという話が出て、Chadの名前が挙がった。ScottはGlass HouseでChadに話を持ちかけ、Chadはその場で強い関心を示した。そこから録音準備が進んだ。Garage Castでは、Chadが全員を一つの部屋に集め、曲を覚え、動かし、不要な部分を落とし、細部を変えながら作品の形を作っていったことが語られている。Scottは別のインタビューで、このアルバムをTerrorの大きな達成として挙げ、音楽、録音、レイアウト、コンセプトまで含めて強く評価している。

録音はPaul Minerのスタジオで行われた。メンバーは毎日Orange Countyまで通っていた。Jordanは当時North Hollywoodにいて、往復の移動時間も長かったと話している。後の作品では近くに泊まる方法を取ったが、この時は毎日通う形だった。録音前後にはIgniteとのショウやMexico遠征もあり、この作品の時期は制作とツアーが密接に重なっていた。

Keepers of the Faithという題名と曲の中身について、Scottは複数の場で具体的に話している。2010年のインタビューでは、Keepers of the Faithは世界中でシーンを信じ、良い方向へ動かし続けているhardcore kidsのことだと説明している。そこではRaybeezの名前も挙げられている。別のインタビューでは、faithは自分自身と、自分が選んできた生き方を信じることだと話している。アルバム期の曲解説文でも、RaybeezがWarzoneで使っていた keep the faith という言葉に触れながら、今も多くの仲間がその言葉と一緒にhardcoreを支えていて、自分たちはその faith を守る側にいると説明している。

Scandalous Podcastでは、ScottがKeepers of the Faithの歌詞の作り方についても触れている。Scottは、この曲を書く時にCommonの I Used to Love H.E.R. の言葉運びを意識したと話している。その回では、hardcore sceneを her として扱ったこともScott自身の口から語られている。さらに、WarzoneとRaybeezの流れがこの曲の題名と発想の背後にあることもはっきり話している。

Keepers of the Faithの時期には、題名とロゴだけで終わらない動きがあった。Garage Castでは、Keepers of the Faithのhotline、ブログ、ステッカー発送、各地から送られてくる写真、発売前の段階で届く tattoo の報告まで話題に出ている。メンバーは、まだアルバムを聴いていない段階で tattoo の報告が届いていたことを振り返っている。Chain Reactionではシーンの人たちを集めてコーラス録音も行われた。Chadが進行し、Paul Minerがその場で録音していたこともGarage Castで話されている。スタジオ内でも別のコーラス録音を行っていて、最終的には両方の録音が使われた。

曲ごとの制作過程も、この回ではかなり具体的に残っている。Your Enemies Are MineはPatrick Kitzelに向けた歌詞で、アルバム終盤で形になった曲の一つだった。Jordanもボーカルで参加している。Stick Tightは、発売前にラジオで流れたことで音源が広まり、アルバム発売前からライヴでシンガロングが起きていた。メンバーは、この曲が次のアルバムの音楽的な盛り上がりを作ったと振り返っている。Return to Strengthでは、Chadがコーラスの構成に手を入れ、Carloが撮った映像も含めて、この曲がヨーロッパで強く受けたことが語られている。Shatteredは、プリプロの段階では外れていたが、その後に押し戻されてアルバムに入った曲として名前が出ている。

このアルバムは、発売後もTerrorの中で特別な位置を保っている。Scottは2012年のインタビューで、Terrorでここまでに達成した一番大きいこととして Keepers of the Faith を挙げている。2020年の再発時にも、Scottはこの作品をTerrorの二十年の中でも重要な作品かもしれないと振り返り、音楽以上の movement だったと話している。Nick Jettも、このアルバムがバンドに大きなエネルギーと勢いを与えたと述べている。HardLoreでもScottは、作品の出方、期待感、再始動の空気まで含めて特別な一枚だったと振り返っている。

Keepers of the Faithの時期には、本編十三曲の外にも動きがあった。Nick Jettは後年、Dont Need Your TimeとYou Lost All RespectがKeepers of the Faithの制作時期に書かれた曲だったと話している。Martinのガレージで、本録音より前に何曲も録っていたこともNo Echoで説明されている。Keepers of the Faithの制作母体は、アルバム本編より広かった。

映像面でもこの時期の記録は多い。Defining The FaithのDVDには、ヨーロッパツアーのドキュメンタリー、バンドインタビュー、バックステージ映像、Keepers of the Faith期のビデオが収録されている。Garage Castでは、Youre Caughtの映像にDavid Woodがツアー中に撮っていた素材がかなり使われたことも話されている。

Keepers of the Faithは、韓国で拾った言葉、Raybeezから続く語の系譜、David WoodとJordan Posnerの加入による編成の変化、Chad Gilbertを迎えた制作方法の変化、Chain Reactionでのコーラス録音、発売前から始まっていた広がり、その全部が重なってできた作品だった。Scott自身が繰り返し話している通り、この作品には題名、音楽、録音、レイアウト、コンセプトがまとめて入っている。一次情報を並べると、Keepers of the FaithはTerrorの代表作として扱われるだけの経緯をはっきり持っている。

KEEPERS OF THE FAITH

FiRST TIME I FEEL ALiVE

生きてるって初めて実感した

I HEARD HER VOiCE AND I KNEW HER PAiN AND STRiFE

俺は彼女の声を聞き、彼女の痛みと闘いを知った

I ROAMED ALONE, DEATH BY MY SiDE

俺はひとり彷徨った、死を傍らに連れて

NOTHiNG SEEMED RiGHT UNTiL YOU CAME INTO MY LiFE

おまえが俺の人生に現れるまでは、何ひとつ正しいと思えなかった

I GRABBED AHOLD TO LEARN AND GROW

俺は学んで成長するために掴み取った

IT WAS DESTiNED THAT YOU AND I COLLiDE

おまえと俺がぶつかり合うのは、運命づけられていた

MY EVERYTHiNG, MY SACRiFiCE

俺のすべて、俺が捧げた犠牲

AND I’LL DEFEND YOU UNTiL I DiE

そして俺は死ぬまでおまえを守り抜く

 

KEEPERS OF THE FAiTH

信念を貫く者たち

I WiLL DEFEND YOUR NAME

俺はおまえの名を守る

ONLY TRUE BELiEVERS REMAiN

真の信じる者だけが残る

THE BLOOD THE SWEAT WE GAVE

俺たちが捧げた血と汗

THROUGH ALL MY JOYS AND PAiNS

喜びも痛みも含めてずっと共に

YOU CAN’T DENY THE KEEPERS OF THE FAiTH

信念を貫く俺達を否定なんてできやしない

 

I REACH FOR YOU IN TROUBLED TiMES

困難な時に俺はおまえに手を伸ばす

YOU SPOKE TO ME AND MADE EVERYTHiNG ALRiGHT

おまえが俺に語りかけて、すべてを大丈夫にしてくれた

I LiVE THROUGH YOU, I’M BY YOUR SiDE

おまえと共に生き、俺はおまえの隣にいる

IT’S SAFE TO SAY THAT YOU TRULY SAVED MY LiFE

おまえが本当に俺の命を救ってくれたと言っても過言ではない

 

KEEPERS OF THE FAiTH

信念を貫く者たち

I WiLL DEFEND YOUR NAME

俺はおまえの名を守る

ONLY TRUE BELiEVERS REMAiN

真の信じる者だけが残る

THE BLOOD, THE SWEAT WE GAVE

俺たちが捧げた血と汗

THROUGH ALL MY JOYS AND PAiNS

喜びも苦しみも含めて、ずっと共に

YOU CAN’T DENY THE KEEPERS OF THE FAiTH

信念を貫く俺たちを否定なんてできやしない

 

 

I LiVE THROUGH YOU, I’M BY YOUR SiDE

おまえと共に生き、俺はおまえの隣にいる

IT’S SAFE TO SAY THAT YOU TRULY SAVED MY LiFE

おまえが本当に俺の命を救ってくれたと言っても過言ではない

MY EVERYTHiNG, MY SACRiFiCE

俺のすべて、俺の捧げた犠牲を

AND I’LL DEFEND YOU UNTiL THE DAY I FUCKiNG DiE

そして俺は死ぬまでおまえを守り抜く

 

KEEPERS OF THE FAiTH

信念を貫く者たち

I WiLL DEFEND YOUR NAME

俺はおまえの名を守る

ONLY TRUE BELiEVERS REMAiN

真の信じる者だけが残る

THE BLOOD, THE SWEAT WE GAVE

俺たちが捧げた血と汗

THROUGH ALL MY JOYS AND PAiNS

喜びも苦しみも含めて、ずっと共に

YOU CAN’T DENY THE KEEPERS OF THE FAiTH

信念を貫く俺たちを否定なんてできやしない

 

 

 

We were in Korea a few months ago and in the men’s room of the club was the phrase “Keep The Faith” written on the wall.

数か月前に俺たちは韓国にいて、そのクラブの男子トイレの壁には『Keep The Faith』というフレーズが書かれていた。

My first reaction was that it’s so cool that kids all over the world stil live by and believe the words of Raybeez.

最初の反応は、世界中の子どもたちが今でも Raybeez の言葉に従い、それを信じて生きているのは本当にかっこいい、というものだった。

He was the singer of one of the best bands ever – Warzone.

彼は史上最高のバンドのひとつ ― Warzone ― のシンガーだった。

He always used that phase in songs and they put it on t-shirt, etc.

彼はいつもそのフレーズを曲の中で使っていて、Tシャツなどにもプリントされていた。

He was a great example of living and believing in the scene and was a true role model for a lot of us.

彼はシーンを信じて生きることの素晴らしい模範であり、俺たちの多くにとって真の手本となる人物だった。

Sadly he passed away some years back, but it’s so cool that his spirit carries on and that this band can help make sure of that. 

残念ながら彼は数年前に亡くなってしまったが、彼の精神が受け継がれていて、このバンドがそれを確かにしてくれるのは本当にかっこいい。

So after that I started thinking to myself; “I do keep the faith.”

それでその後、俺は心の中でこう思い始めた。『俺は確かに信念を貫いてる。』

Many of us today do and that’s what keeps HC alive and in the great place it’s in.

今も多くの仲間が信念を持ち続けていて、それがハードコアを生かし、最高の状態に保っているんだ。

We do keep the faith.

俺らはちゃんと Keep the Faith してるんだ。

We are the keepers of the faith.

俺たちは信念を守る者たちだ。

Faith in the scene and faith in it’s importance.

シーンを信じる心、その価値を信じる心。

“Faith” is ourselves and the path we have chosen.

“Faith” とは、俺たち自身であり、俺たちが選んできた生き方そのものだ。