【完全解説】AFTeRSHOCK『Through the Looking Glass』|Devils Head ProductionsとKillswitch Engage前史をつなぐ重要作

Through the Looking Glass|バンド背景・年表・メンバー・思想解説


AFTeRSHOCKとは

AFTeRSHOCK は、1990年代後半のアメリカ北東部ハードコア・シーンにおいて活動していたバンドであり、

Devils Head Productions / Records の文脈で語られる存在である。

『Through the Looking Glass』は、

感情的なカタルシスやシーン向けアンセムとは距離を置き、

構造・内省・緊張感を重視した、当時としては極めて異質な作品だった。

本ページでは、AFTeRSHOCKというバンドを

「時代背景」「メンバー」「レーベル思想」「後年への接続」

という観点から整理し、

『Through the Looking Glass』が持つ意味を掘り下げていく。


※ 表記・混同について(重要)

AFTeRSHOCK は、同名・類似名が非常に多いため混同されやすい。

  • Aftershock Festival(大型音楽フェス)

  • Aftershock Overdrive(別企画・名称)

  • Aftershocks(複数形を用いた別バンド/企画)

本ページで扱う AFTeRSHOCK は、

Devils Head Productions の文脈で活動していた

ハードコア・バンドを指しており、

これらとは一切関係がない。

表記はすべて AFTeRSHOCK に統一する。


AFTeRSHOCK 年表

結成〜『Through the Looking Glass』

1990年代前半|シーンの変化

アメリカ北東部では、ハードコアがより重く、暗く、内省的な方向へ進化し始めていた。

メタル的リフ構造と精神的テーマを取り込む流れが形成されつつあった。

1990年代中盤|AFTeRSHOCK 結成

Tobias(Toby)Dutkiewicz を中心に AFTeRSHOCK が結成される。

当初からシーン迎合型ではなく、

「構造としてのハードコア」を志向した姿勢を持っていた。

1990年代後半|Devils Head Productions との関係

AFTeRSHOCK は Devils Head Productions / Records と結びつき、

その思想を体現する存在となっていく。

商業性よりも音と思想の一貫性を重視する姿勢が明確になる。

1990年代後半〜2000年前後|メンバー流動期

当時のハードコアらしく、メンバーは完全固定ではなく、

レコーディング単位での流動的な関与が行われていた。

この時期に Joel Stroetzel らが関与する。

2000年前後|『Through the Looking Glass』制作・発表

AFTeRSHOCK はそれまでの思想を集約する形で

『Through the Looking Glass』を制作・リリース。

即時的な評価は大きくなかったが、

後年再評価される重要作品となった。


メンバー一覧(役割+後年の活動)

名前 役割 AFTeRSHOCKでの位置づけ 後年の主な活動
Tobias (Toby) Dutkiewicz ボーカル バンドの中心人物。思想・世界観を担う。 Devils Head Productions / Records に関与。北東部HCの思想的象徴。
Joel Stroetzel ギター 『Through the Looking Glass』期の重要メンバー。 後に Killswitch Engage ギタリストとして世界的成功。
Adam Dutkiewicz ギター/制作 制作・人脈圏で関与。設計思想の共有者。 Killswitch Engage 中核人物/プロデューサー。
Chris Fortin ベース 低音と重量感を支える存在。 Fortin Amps 創設者。現代メタル機材の重要人物。
Tom Gomes ドラム 冷静で制御されたリズムを構築。 Killswitch Engage 初期ドラマー

Devils Head Productions の中での AFTeRSHOCK

Devils Head Productions は、

売れるかどうかよりも「意味があるか」を重視したレーベルだった。

AFTeRSHOCK はその中でも、

最も純粋にその美学を体現した存在である。

  • 説明的でない表現

  • 感情を煽らない構造

  • 聴き手に解釈を委ねる姿勢

『Through the Looking Glass』は、

Devils Head の思想を音として定着させた作品と言える。


Killswitch Engage 以前史としての AFTeRSHOCK

AFTeRSHOCK は、Killswitch Engage の直接的な原型ではない。

しかし、設計思想の前段階として極めて重要な存在である。

  • リフをパーツとして捉える感覚

  • 曲全体を設計図のように組み上げる思考

  • 感情に流されないアレンジ判断

これらは後に Adam Dutkiewicz が

Killswitch Engage で発揮する能力と地続きにある。

Joel Stroetzel の関与も含め、

AFTeRSHOCK は

ハードコアからメタルコアへ移行する過渡期を象徴するバンドである。


『Through the Looking Glass』という作品

本作は、外に向かって叫ぶアルバムではない。

むしろ、内側を覗き込む行為そのものを音にした作品である。

  • 冷たい音像

  • 無駄を削ぎ落とした構成

  • 高揚感を拒否する展開

時代を先取りしすぎたがゆえに、

後追いで評価される典型的な一枚となった。


総括

AFTeRSHOCK『Through the Looking Glass』は、

派手さや即効性とは無縁だが、

後のシーンを理解するための重要な鍵を持つ作品である。

Devils Head Productions、

Killswitch Engage 以前史、

90年代北東部ハードコアの過渡期。

それらをつなぐ一点として、

AFTeRSHOCK は今なお掘り下げる価値のある存在だ。

1. prelude to forever – 

AFTeRSHOCK「Prelude to Forever」Lyrics 歌詞和訳 後退的な進歩が、強いられている!肯定し、俺を真似ろ!!

2. through the looking glass – Instrumental

3. jabberwocky –

AFTeRSHOCK「Jabberwocky」Lyrics 歌詞和訳 それは恐怖を糧にし、俺たちの魂を獲物とする!!!

4. traversing the gap –

AFTeRSHOCK「Traversing the Gap」Lyrics 歌詞和訳 俺はただの飾りではない!!!

5. living backward –

AFTeRSHOCK「Living Backward」Lyrics 歌詞和訳 打ち鳴らされる鋼鉄の音、擦れ合う肌の感触、その全てが俺を包囲する…。

6. impenetrability –

AFTeRSHOCK「Impenetrability」Lyrics 歌詞和訳 理屈屋…神格…はりつけ…狂気。卑劣な真実を喰らえ!

7. my own invention –

AFTeRSHOCK「My Own Invention」Lyrics 歌詞和訳 おまえの支配された殻では決して満たせない!

8. infinite conclusion –

AFTeRSHOCK「Infinite Conclusion」Lyrics 歌詞和訳 視覚、知覚、そして音において不安を覚える…。

9. awaking the dream – Instrumental