メタリカ、Metallica、Hardwired...To Self-Distruct
Metallica(メタリカ)の『Hardwired…To Self-Destruct』は2016年11月18日にリリースされた作品で、アルバム本編だけでなく映像面でも“全曲MV”級の展開が話題になりました。さらにその流れの中で、ボーナストラック「Lords of Summer」まで映像化されているのが面白いところです。メタリカ+1
メタリカ、Metallica、Lords Of Summerメタリカ、Metallica、Lords Of Summerメタリカ、Metallica、Lords Of Summerメタリカ、Metallica、Lords Of Summerメタリカ、Metallica、Lords Of Summerメタリカ、Metallica、Lords Of Summer

ただし「Lords of Summer」は、もともと2016年に突然生まれた曲ではありません。出発点は2014年、ファン投票でセットリストが変わる“Metallica By Request”ツアーのために書かれ、同年に“First Pass(初期テイク/ガレージデモ)”として公開されました。さらにBlack Friday(Record Store Day)では限定12インチとして「First Pass Version」とライブ版が収録され、まさに“現場(ツアー)から立ち上がった曲”として育っていった経緯があります。Discogs+3ウィキペディア+3rollingstone.com+3

歌詞の核にあるのは、冬の停滞が終わり、雪解けとともに熱が戻ってくる感覚――つまりツアー/フェスの季節(夏)が帰ってくる昂揚です。実際に公式歌詞でも「雪解けが始まった」「闇を太陽と交換しろ」「祝え、炎を燃やせ」といった“季節の反転=祝祭の再開”が繰り返され、会場が一体化していくイメージが強調されます。メタリカ

pale rider

その一方で冒頭に出てくる “Pale riders” は、聖書『ヨハネの黙示録』の終末イメージを強く連想させます。黙示録では「七つの封印」のうち最初の四つが解かれると“四騎士”が現れ、第四の封印で現れる“青白い馬”の騎士の名は“死”、そしてハデスが従うと記されています(黙示録6:8)。BibleRef.com+1

さらにこの曲は、歌詞の中で “No Remorse”“Horsemen Ride” という言葉をあえて叩き込みます。これは黙示録的な“騎士”の恐怖を借りつつ、同時にメタリカ初期曲(『Kill ’Em All』収録の「No Remorse」など)を自己引用することで、**終末の騎士=メタリカと観客の“夏の軍勢”**へと意味を反転させる仕掛けにも見えます。メタリカ+1

黙示録の四騎士(封印/青白い馬=死+ハデス)

「Lords of Summer」に出てくる “Pale riders” という言葉は、聖書『ヨハネの黙示録(Revelation)』6章に登場する “四騎士(Four Horsemen of the Apocalypse)” のイメージと非常に相性がいいワードです。四騎士は、黙示録に出てくる 「七つの封印」 のうち 最初の4つ が解かれたときに現れる存在として描かれます。Encyclopedia Britannica+1

七つの封印と「最初の4つ=四騎士」

黙示録6章では、巻物の封印が順番に解かれていきます。その最初の4つの封印で登場するのが、よく知られる 白・赤・黒・青白い馬の騎士です(解釈の幅はあるものの、基本の並びはここ)。Encyclopedia Britannica+1

四騎士は「征服/戦争/飢饉/死」を運ぶ

代表的な整理だと、四騎士は次の“災厄の側面”を象徴します。Encyclopedia Britannica+1

  • 白い馬:征服(または類似の災厄。ここは諸説あり)

  • 赤い馬:戦争

  • 黒い馬:飢饉

  • 青白い馬:死(+ ハデス)

「青白い馬=死」+「ハデスが従う」(黙示録6:8)

黙示録6:8では、青白い馬の騎士の名が“死(Death)”で、“ハデス(Hades)”が後に従うと描写されます。さらに彼らには「地の四分の一に権威が与えられ、剣・飢饉・疫病(訳により“死”)・地の獣によって人々を殺す」力が与えられる、と続きます。バイブルゲートウェイ+2ESV Bible+2

※訳の揺れもポイントです。KJVだと “Hades” が “Hell(黄泉/陰府)” と訳されるなど、翻訳伝統によって表記が変わります。バイブルゲートウェイ+1

また “pale” も訳によって pale / pale green などに揺れます(原語のニュアンスをどう取るかで変化しやすい)。バイブルハブ+1

四騎士の4色と意味(白・赤・黒・青白)

「四騎士(Four Horsemen)」は、『ヨハネの黙示録』6章で「七つの封印」のうち最初の4つが解かれるたびに現れる騎士たちです。一般的な整理では、彼らは**征服(conquest)/戦争(war)/飢饉(famine)/死(death)**という終末の側面を象徴します。バイブルゲートウェイ+1

白い馬(第1の封印)=征服

第1の封印で現れるのが白い馬の騎士。黙示録6章では、騎士は弓を持ち、冠を与えられ、「勝利の上にも勝利を得ようとして」出て行くと描かれます。バイブルゲートウェイ

多くの解釈ではこれを**征服(conquest)**と捉えますが、白い馬=義/勝利のイメージから「キリスト」と見る説、逆に「反キリスト/偽りのキリスト(パロディ)」と見る説など、ここは割れやすいポイントです。Encyclopedia Britannica

赤い馬(第2の封印)=戦争・流血

第2の封印で現れるのが赤い馬の騎士。黙示録6章では、地から平和を奪い、人々が互いに殺し合うようにし、大きな剣が与えられるとされます。バイブルゲートウェイ

象徴は分かりやすく、一般に戦争/暴力/流血のイメージです。Encyclopedia Britannica+1

黒い馬(第3の封印)=飢饉・物価高(経済の崩れ)

第3の封印で現れるのが黒い馬の騎士。騎士は**天秤(はかり)を持ち、「小麦や大麦の価格」が強調される描写が続きます(=食糧が希少になり、生活が圧迫されるニュアンス)。バイブルゲートウェイ

そのため一般的には、黒い馬は
飢饉(famine)や経済危機(インフレ/配給)**の象徴として説明されます。Encyclopedia Britannica+1

青白い馬(第4の封印)=死(+ハデス)

第4の封印で現れるのが、あなたが狙っている “pale riders(青白い騎手)” と直結しやすい存在です。黙示録6:8では、青白い馬の騎士の名は「死(Death)」で、「ハデス(Hades)」が後に従うと明記されます。さらに「剣、飢饉、疫病/死、獣」などで人を殺す権威が与えられる、と続きます。バイブルゲートウェイ+1

なお“青白い”は訳語の揺れがあり、原語はギリシャ語 χλωρός(chloros) で、「緑っぽい/青白い(病的な青緑)」のニュアンスを持つ語として説明されることがあります(だから英訳でも pale / pale green / ashen など揺れが出ます)。バイブルハブ

第5の封印:殉教者たちの叫び(黙示録 6:9–11)

祭壇の下にいる殉教者たち(神の言葉と証しのために殺された者)の魂が、「いつまで裁き、復讐してくださらないのか」と叫びます。白い衣が与えられ、「同じように殺される仲間の数が満ちるまで、なおしばらく休め」と告げられます。バイブルゲートウェイ

第6の封印:大地震+天体異変(黙示録 6:12–17)

大地震、太陽が黒く、月が血のように赤くなる、星が落ちる、天が巻物のように巻き上げられる、山や島が動く…という終末的描写が連続します。権力者から奴隷まで人々が洞穴に隠れ、「岩よ我らに落ちて…小羊の怒りから隠してくれ」と叫びます。バイブルゲートウェイ

第7の封印:天の沈黙 → 七つのラッパへ(黙示録 8:1–5)

天が「半時間ほど」静まり返り、その後、神の前に立つ7人の御使いに7つのラッパが与えられます。さらに金の香炉と香(祈り)が描かれ、香炉の火が地に投げつけられて雷鳴・稲妻・地震が起こり、ここからラッパの裁きが始まっていきます。バイブルゲートウェイ

※補足:第6と第7の間に黙示録7章の「挿入(インタールード)」が入ります(“封印”そのものではないけど、流れ上すごく重要な場面)。

なぜ「Pale riders」なのか(曲に落とし込むヒント)

Metallica公式の「Lords of Summer」歌詞には “Pale riders” に加えて “Horsemen Ride” も出てきます。メタリカ

ここを黙示録とつなげると、言葉の連想が一気に強化されます。

  • pale(青白い)+riders(騎手) → 黙示録6:8の「青白い馬の騎士=死」連想

  • horsemen(騎士たち) → 四騎士の集合イメージ連想

  • さらに曲全体の「冬が終わり、雪解けが始まり、熱と光が戻ってくる」描写と合わせると、終末の騎士(死)という“暗い象徴”を、ライブの爆発力(地鳴り・一体化)に反転させる読み方もできます。メタリカ+1

――ここから先は歌詞を直訳寄りに追いながら、「夏の支配者(Lords of Summer)」が“誰(何)”を指しているのか、黙示録の四騎士イメージとどう重ねているのかを読み解いていきます。メタリカ

メタリカ metallica Hardwired...To Self-DIstruct ハードワイヤード...トゥ・セルフ・ディストラクト
2016 “Hardwired…To Self-Destruct
Disc One
1. Hardwired
2. Atlas, Rise!
3. Now That We’re Dead
4. Moth Into Flame
5. Am I Savage?
6. Halo On Fire

Disc Two
1. Confusion
3. ManUNkind
4. Here Comes Revenge
5. Murder One
6. Spit Out The Bone

Disc Three (Deluxe Edition Only)
1. Lords Of Summer
2. Ronnie Rising Medley
3. When a Blind Man Cries
4. Remember Tomorrow
5. Helpless (Live at Rasputin Music)
6. Hit the Lights (Live at Rasputin Music)
7. The Four Horsemen (Live at Rasputin Music)
8. Ride the Lightning (Live at Rasputin Music)
9. Fade to Black (Live at Rasputin Music)
10. Jump in the Fire (Live at Rasputin Music)
11. For Whom the Bell Tolls (Live at Rasputin Music)
12. Creeping Death (Live at Rasputin)
13. Metal Militia (Live at Rasputin)
14. Hardwired (Live at U.S. Bank Stadium) 

メタリカ、Metallica、Lords Of Summer

Lords Of Summer

Sight
視界
Pale riders into the night
夜へ駆け込む青白い騎手たち
Galloping harder and faster
より激しく、より速く駆け抜ける
 
Through your dreaming wake
夢見の覚醒を突き抜けて
Walk through the fire innate
本能のままに火の中を歩け
Frost bitten soul below zero
零下の凍傷に噛まれた魂
 
Excitation
興奮
Are you remembering the sound
その音を覚えてるのか
Recall the shaking of the ground
地鳴りを思い起こせ
 
Calling, calling
呼べ、呼べ
All as one
すべてが一つとなる
Lords of summer bring the sun
夏の支配者たちは太陽をもたらす
 
Coming, coming
到来、到来
Winter’s yearn
冬の渇望
Lords of summer shall return
夏の支配者たちは再び帰還する
 
Eternal thawing has begun
永遠の雪解けが始まった
Come trade your darkness for the sun
闇を太陽と交換しに来てくれ
Melting the chill of winter’s turn
冬の訪れがもたらす冷たさを溶かす
For soon the lords of summer shall return
まもなく夏の支配者たちが帰還するだろう
 
Lords of summer shall return
夏の支配者たちは再び帰還する
 
Straight
真っ直ぐ
Life passes through penetrate
命が貫通して通り抜ける
It’s been a long lonely winter
長い孤独な冬だった
 
Illumination
照明
Bright
明るい
Fading the volume and light
音量も光も薄れていく
Reanimated by fire
炎によって蘇る

Transformation
変容
Become the nexus of the sound
音の中枢となれ
Become the shaking of the ground
地を震わす者となれ
 
Calling, calling
呼んでいる、呼んでいる
All as one
すべてが一つとなる
Lords of summer bring the sun
夏の支配者たちは太陽をもたらす
 
Coming, coming
到来、到来
Winter’s yearn
冬の渇望
Lords of summer have returned
夏の支配者たちが帰ってきた
 
Eternal thawing has begun
永遠の雪解けが始まった
Come trade your darkness for the sun
闇を太陽と交換しに来てくれ
Melting the chill of winter’s turn
冬の訪れがもたらす冷たさを溶かす
Now that the lords of summer have returned
今、夏の支配者たちが戻ってきた
 
Lords of summer have returned
夏の支配者たちが帰ってきた
 
Calling, calling
呼んでいる、呼んでいる
All as one
すべてが一つとなる
Lords of summer bring the sun
夏の支配者たちは太陽をもたらす
 
Coming, coming
到来、到来
Winter’s yearn
冬の渇望
Lords of summer have returned,have returned
夏の支配者たちが帰ってきた、帰ってきた
 
Eternal thawing has begun
永遠の解け始めがはじまった
Come trade your darkness for the sun
闇を太陽と交換しに来てくれ
Melting the chill of winter’s turn
冬の訪れがもたらす冷たさを溶かす
Now that the lords of summer have returned
夏の支配者たちが 戻ってきた今
 
Lords of summer have returned
夏の支配者たちが帰ってきた