






ただし「Lords of Summer」は、もともと2016年に突然生まれた曲ではありません。出発点は2014年、ファン投票でセットリストが変わる“Metallica By Request”ツアーのために書かれ、同年に“First Pass(初期テイク/ガレージデモ)”として公開されました。さらにBlack Friday(Record Store Day)では限定12インチとして「First Pass Version」とライブ版が収録され、まさに“現場(ツアー)から立ち上がった曲”として育っていった経緯があります。Discogs+3ウィキペディア+3rollingstone.com+3
歌詞の核にあるのは、冬の停滞が終わり、雪解けとともに熱が戻ってくる感覚――つまりツアー/フェスの季節(夏)が帰ってくる昂揚です。実際に公式歌詞でも「雪解けが始まった」「闇を太陽と交換しろ」「祝え、炎を燃やせ」といった“季節の反転=祝祭の再開”が繰り返され、会場が一体化していくイメージが強調されます。メタリカ
その一方で冒頭に出てくる “Pale riders” は、聖書『ヨハネの黙示録』の終末イメージを強く連想させます。黙示録では「七つの封印」のうち最初の四つが解かれると“四騎士”が現れ、第四の封印で現れる“青白い馬”の騎士の名は“死”、そしてハデスが従うと記されています(黙示録6:8)。BibleRef.com+1
さらにこの曲は、歌詞の中で “No Remorse” や “Horsemen Ride” という言葉をあえて叩き込みます。これは黙示録的な“騎士”の恐怖を借りつつ、同時にメタリカ初期曲(『Kill ’Em All』収録の「No Remorse」など)を自己引用することで、**終末の騎士=メタリカと観客の“夏の軍勢”**へと意味を反転させる仕掛けにも見えます。メタリカ+1
黙示録の四騎士(封印/青白い馬=死+ハデス)
「Lords of Summer」に出てくる “Pale riders” という言葉は、聖書『ヨハネの黙示録(Revelation)』6章に登場する “四騎士(Four Horsemen of the Apocalypse)” のイメージと非常に相性がいいワードです。四騎士は、黙示録に出てくる 「七つの封印」 のうち 最初の4つ が解かれたときに現れる存在として描かれます。Encyclopedia Britannica+1
七つの封印と「最初の4つ=四騎士」
黙示録6章では、巻物の封印が順番に解かれていきます。その最初の4つの封印で登場するのが、よく知られる 白・赤・黒・青白い馬の騎士です(解釈の幅はあるものの、基本の並びはここ)。Encyclopedia Britannica+1
四騎士は「征服/戦争/飢饉/死」を運ぶ
代表的な整理だと、四騎士は次の“災厄の側面”を象徴します。Encyclopedia Britannica+1
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白い馬:征服(または類似の災厄。ここは諸説あり)
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赤い馬:戦争
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黒い馬:飢饉
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青白い馬:死(+ ハデス)
「青白い馬=死」+「ハデスが従う」(黙示録6:8)
黙示録6:8では、青白い馬の騎士の名が“死(Death)”で、“ハデス(Hades)”が後に従うと描写されます。さらに彼らには「地の四分の一に権威が与えられ、剣・飢饉・疫病(訳により“死”)・地の獣によって人々を殺す」力が与えられる、と続きます。バイブルゲートウェイ+2ESV Bible+2
※訳の揺れもポイントです。KJVだと “Hades” が “Hell(黄泉/陰府)” と訳されるなど、翻訳伝統によって表記が変わります。バイブルゲートウェイ+1
また “pale” も訳によって pale / pale green などに揺れます(原語のニュアンスをどう取るかで変化しやすい)。バイブルハブ+1
四騎士の4色と意味(白・赤・黒・青白)
「四騎士(Four Horsemen)」は、『ヨハネの黙示録』6章で「七つの封印」のうち最初の4つが解かれるたびに現れる騎士たちです。一般的な整理では、彼らは**征服(conquest)/戦争(war)/飢饉(famine)/死(death)**という終末の側面を象徴します。バイブルゲートウェイ+1
白い馬(第1の封印)=征服
第1の封印で現れるのが白い馬の騎士。黙示録6章では、騎士は弓を持ち、冠を与えられ、「勝利の上にも勝利を得ようとして」出て行くと描かれます。バイブルゲートウェイ
多くの解釈ではこれを**征服(conquest)**と捉えますが、白い馬=義/勝利のイメージから「キリスト」と見る説、逆に「反キリスト/偽りのキリスト(パロディ)」と見る説など、ここは割れやすいポイントです。Encyclopedia Britannica
赤い馬(第2の封印)=戦争・流血
第2の封印で現れるのが赤い馬の騎士。黙示録6章では、地から平和を奪い、人々が互いに殺し合うようにし、大きな剣が与えられるとされます。バイブルゲートウェイ
象徴は分かりやすく、一般に戦争/暴力/流血のイメージです。Encyclopedia Britannica+1
黒い馬(第3の封印)=飢饉・物価高(経済の崩れ)
第3の封印で現れるのが黒い馬の騎士。騎士は**天秤(はかり)を持ち、「小麦や大麦の価格」が強調される描写が続きます(=食糧が希少になり、生活が圧迫されるニュアンス)。バイブルゲートウェイ
そのため一般的には、黒い馬は飢饉(famine)や経済危機(インフレ/配給)**の象徴として説明されます。Encyclopedia Britannica+1
青白い馬(第4の封印)=死(+ハデス)
第4の封印で現れるのが、あなたが狙っている “pale riders(青白い騎手)” と直結しやすい存在です。黙示録6:8では、青白い馬の騎士の名は「死(Death)」で、「ハデス(Hades)」が後に従うと明記されます。さらに「剣、飢饉、疫病/死、獣」などで人を殺す権威が与えられる、と続きます。バイブルゲートウェイ+1
なお“青白い”は訳語の揺れがあり、原語はギリシャ語 χλωρός(chloros) で、「緑っぽい/青白い(病的な青緑)」のニュアンスを持つ語として説明されることがあります(だから英訳でも pale / pale green / ashen など揺れが出ます)。バイブルハブ
第5の封印:殉教者たちの叫び(黙示録 6:9–11)
祭壇の下にいる殉教者たち(神の言葉と証しのために殺された者)の魂が、「いつまで裁き、復讐してくださらないのか」と叫びます。白い衣が与えられ、「同じように殺される仲間の数が満ちるまで、なおしばらく休め」と告げられます。バイブルゲートウェイ
第6の封印:大地震+天体異変(黙示録 6:12–17)
大地震、太陽が黒く、月が血のように赤くなる、星が落ちる、天が巻物のように巻き上げられる、山や島が動く…という終末的描写が連続します。権力者から奴隷まで人々が洞穴に隠れ、「岩よ我らに落ちて…小羊の怒りから隠してくれ」と叫びます。バイブルゲートウェイ
第7の封印:天の沈黙 → 七つのラッパへ(黙示録 8:1–5)
天が「半時間ほど」静まり返り、その後、神の前に立つ7人の御使いに7つのラッパが与えられます。さらに金の香炉と香(祈り)が描かれ、香炉の火が地に投げつけられて雷鳴・稲妻・地震が起こり、ここからラッパの裁きが始まっていきます。バイブルゲートウェイ
※補足:第6と第7の間に黙示録7章の「挿入(インタールード)」が入ります(“封印”そのものではないけど、流れ上すごく重要な場面)。
なぜ「Pale riders」なのか(曲に落とし込むヒント)
Metallica公式の「Lords of Summer」歌詞には “Pale riders” に加えて “Horsemen Ride” も出てきます。メタリカ
ここを黙示録とつなげると、言葉の連想が一気に強化されます。
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pale(青白い)+riders(騎手) → 黙示録6:8の「青白い馬の騎士=死」連想
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horsemen(騎士たち) → 四騎士の集合イメージ連想
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さらに曲全体の「冬が終わり、雪解けが始まり、熱と光が戻ってくる」描写と合わせると、終末の騎士(死)という“暗い象徴”を、ライブの爆発力(地鳴り・一体化)に反転させる読み方もできます。メタリカ+1
――ここから先は歌詞を直訳寄りに追いながら、「夏の支配者(Lords of Summer)」が“誰(何)”を指しているのか、黙示録の四騎士イメージとどう重ねているのかを読み解いていきます。メタリカ
![]() 2016 “Hardwired…To Self-Destruct“ Disc One 1. Hardwired 2. Atlas, Rise! 3. Now That We’re Dead 4. Moth Into Flame 5. Am I Savage? 6. Halo On Fire Disc Two Disc Three (Deluxe Edition Only) |








