C.P.R. - song by Irate (NYC) | Spotify

【特集】Racial Profiling(人種プロファイリング)とは何か?──ハードコアが叫ぶ、制度化された差別の現実

🔰 導入文

アメリカのストリートを生きる者たちが日々向き合っているもの──それが「Racial Profiling(人種プロファイリング)」です。これは見た目や人種だけで犯罪の疑いをかけられ、警察や当局から不当な扱いを受ける制度化された差別の一形態です。

本記事では、Racial Profilingの意味・背景・具体例を明らかにし、Irateをはじめとするハードコアバンドがこの現実にどう対峙してきたかを掘り下げていきます。


🧠 Racial Profilingとは?

**Racial Profiling(人種プロファイリング)**とは、特定の人種・民族・宗教的背景をもとに、「犯罪を起こす可能性がある」として当局が人々を取り締まる行為です。

👉 実際に犯罪の証拠がなくても、”見た目だけ”で不審者扱いされることが問題。


🧱 主に標的となる人々

  • 黒人(African-American)

  • ラテン系(Latino / Hispanic)

  • アラブ系・中東系(特に9.11以降)

  • ネイティブアメリカン

  • 東南アジア系や移民労働者


📍 よくあるシーンの例

状況 内容
🚓 路上 黒人青年が理由なく職質・身体検査を受ける
🛂 空港 アラブ系男性が長時間の尋問を受ける
🏪 店舗 ラテン系住民が万引きと疑われ通報される

🏛 歴史的背景

  • 奴隷制度期の「Slave Patrols」が警察制度の起源のひとつ

  • ジム・クロウ法による黒人差別の制度化

  • 1990年代NYCの「Stop & Frisk政策」で黒人・ラテン系市民が標的に

📊 2011年のNYPDのデータでは、Stop & Friskの対象の約87%が黒人・ラテン系の人々でした。


🧨 なぜ問題なのか?

  • ❌ 無実の人が犯罪者扱いされる

  • ❌ 偏見が制度に組み込まれている

  • ❌ 警察・司法への信頼が崩壊する

  • ❌ 心理的トラウマ・PTSDの原因にも


🎤 ハードコアとRacial Profiling

NYHC(ニューヨーク・ハードコア)やストリートハードコア系のバンドは、この問題を正面から扱ってきました。

特に以下の曲・バンドは要注目:

  • Irate – “C.P.R.”

  • Merauder – “41 Shots”(アマドゥ・ディアロ事件が背景)

  • Body Count – “Cop Killer”(警察暴力への反撃)

🎙️ Irateの怒りは、暴力ではなく「正義が壊れている」ことへの叫びなのです。


✅ まとめ:なぜ今も問題なのか?

Racial Profilingは今もなお多くの地域で起きており、ただの個人差別ではなく制度化された抑圧構造の一部です。

ハードコアはその現実に黙らず、拳ではなく「声」で抗う手段として存在しています。

C. P. R.

Unnecessary roughness in full effect.

不必要な暴力が全開で発動中。

From the east to the west suckas always disrespect.

東から西まで、雑魚どもはいつも敬意を払わない。

Prosecutors, regulators, all violators.

検察官も、規制当局も、全員が加害者。

Each and everyone of those fucking pigs will meet their maker.

あのクソ豚どもは一人残らず創造主のもとに行くことになる。

“Protect and serve”, words of the guardian sworn to protect our lives.

“保護して奉仕する”、それは我々の命を守ると誓った守護者たちの言葉。

Above the law, defended by the shield, a lower class man’s demise.

法の上に立ち、盾に守られた存在が、下層階級の人間を破滅させる。

Acting on suspicion with no real train of thought.

まともな思考の筋道もないまま、ただ疑いだけで行動している。

The only thing that matters is the numbers that are caught.

ただ重要なのは逮捕件数だけだ。

Nigga’s turn the blind eye, making shit difficult.

身内の連中も見て見ぬふりをして、状況をややこしくしてる。

Scarred up dignity, but revenge is fucking critical.

傷だらけの尊厳、それでも復讐はクソほど重要だ。

Crippling the law, a devious deception that reveals their intention.

法を麻痺させる、それはヤツらの意図を明らかにする卑怯なやり口。

Beat them the floor.

ヤツらを床に叩きつけろ。

Covered-up tragedies are disturbing my reality.

隠蔽された悲劇が俺の現実をかき乱している。

They commit the crime, but they won’t do the time.

ヤツらは罪を犯しても、ヤツらは刑期を全うしない

They roll up on the block with their nickel-plated nines.

ヤツらはニッケルメッキの9ミリ拳銃携えて街角に現れる。

Why don’t you respond to the victims of distress?

なぜおまえらは苦しんでる被害者たちに応えないんだ?

And step the fuck off my grill cause I’m minding my own business.

だから俺の面からささっと消えろよ、俺は自分のやれることをやってるから。

Law enforcement think they’re keeping shit in check.

法執行機関は自分たちが法の秩序を保っているつもりでいやがる。

Walking hard, showing off, demanding our respect.

威張って歩き回り、誇示して、俺らの敬意を強要してくる。

Lousy fucking pigs trying to start up a ruckus.

くだらねぇクソ豚どもがわざと騒ぎを起こそうとしてやがる。

What the fuck’s the deal with these fools acting treacherous?

裏切るような真似してるあのバカどもはいったい何なんだよ?

Something about justice system doesn’t seem right. 

司法制度のどこかがおかしい気がする。

Continuous corruption with no positive end in sight.

良い終わりが見えない絶え間ない腐敗。

That’s why these pigs, they always get shot.

だからこいつら豚どもは、いつも撃たれるんだ。

I turn my head the other way and let those motherfuckers rot.

俺は顔を背ける、あのクソ野郎どもは腐るのを放っておく。

I question your validity in rolling up and stopping me.

おまえが俺を止めようとした正当性に疑問を呈する。

Play god and hiding behind your badge.

神を気取ってバッジの陰に隠れやがる。

To serve and fucking harass.

奉仕とクソみたいな嫌がらせのために。

I hope I live to see the day when dirty cops are forced to pay for using their authority to rape us of humanity.

俺は汚職警官どもが権力を濫用して、俺たちの人間性を蹂躙した代償を支払う日が来るのを生きているうちに目撃したい。